「これからの若い世代は、モノを所有することに執着しない」。そんなシェアリングエコノミー全盛の時代背景もあり、平成生まれの価値観について世間ではしばしばそんな議論が交わされています。シェアリングエコノミーとは、モノや空間、スキルなどを個人間で共有・貸し借りする経済形態のことです。しかし、2020年2月3日に発表された調査結果は、私たちのそんな固定観念を根底から覆すものとなりました。
カーディフ生命保険が実施した世代別の意識調査によると、20歳から34歳の平成世代において、家を「買う」と回答した人はなんと約78パーセントにのぼります。驚くべきは、この数字がバブル世代やロスジェネ世代とほとんど変わらないという点です。インターネット上のSNSでも「やっぱりマイホームが一番の目標」「賃貸派が増えているかと思いきや、そうでもないんだな」といった驚きの声が多数上がっています。
「所有」は家族の思い出を刻むための賢い選択
では、なぜこれほどまでに平成世代は家を所有することにこだわるのでしょうか。その大きな理由の一つが、住まいを「家族のだんらんの場」と捉える非常に強い意識です。調査では、平成世代の半数以上が「家は家族の思い出を刻む場所」と回答しています。これは他の世代と比べても際立って高い数値であり、彼らにとって住宅は単なる資産ではなく、人生の質を高めるための重要な投資といえるでしょう。
私個人としても、この結果には深く共感します。デジタル化が進み、何でも手軽に共有できる時代だからこそ、逆に「自分たちだけの特別な空間」という物理的な拠点の価値が高まっているのではないでしょうか。家を買うことは、効率性だけを追求するのではなく、家族との絆やステータスを自分たちの手で築き上げるという、極めて「肉食的」かつ能動的な意思表示なのだと考えます。
また、彼らは決して盲目的に高い買い物をしているわけではありません。音楽配信サービスなどで「借りる」文化を上手に活用する一方で、人生の基盤となる住まいにはしっかりと投資する。そんなメリハリのある「賢い消費」こそが、今の平成世代の最大の特徴です。住宅を所有することは、これからの時代を生き抜く彼らにとって、自分らしい豊かな生活を実現するための最も確実な手段なのかもしれません。
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