大大阪モダニズムの記憶!昭和8年開通の大阪市営地下鉄と大丸の超レアなペーパークラフトがSNSで話題に

かつて大阪が日本屈指の経済都市として輝いていた時代をご存じでしょうか。大阪大学の橋爪節也教授によると、当時のきらびやかな都市文化は「大大阪モダニズム」と呼ばれています。洗練された郊外のベッドタウン文化とは一線を画し、都会の百貨店や劇場を中心に華開いた独自のモダン文化を指す言葉です。その象徴とも言えるのが、心斎橋筋にそびえ立つ大丸百貨店でしょう。2019年にリニューアルされたこの建物は、アールデコ調の美しいデザインで現在も人々を魅了しています。

大丸百貨店の設計を手掛けたのは、建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズです。彼がもたらしたアールデコとは、1920年代から1930年代にかけてヨーロッパやアメリカを中心に流行した、直線や幾何学模様を活かした装飾豊かな建築様式のことです。当時の大丸は、建物の意匠だけでなく、通りを彩るディスプレーや配布されるパンフレットに至るまで、他には真似できない最先端の都市センスが極まっていました。訪れる人々にとって、そこはまさに憧れの空間だったに違いありません。

そんな華やかな大大阪の街に、新たな歴史が刻まれたのが1933年5月20日のことです。日本で最初となる公営の地下鉄、大阪市営高速鉄道(現在のOsaka Metro)が梅田駅から心斎橋駅の間でついに開通しました。当時はまだ仮の駅での営業開始であり、現在のような壮麗な心斎橋駅が完成したのは翌年である1934年のことです。しかし、この利便性の向上は当時の市民に大きな衝撃を与えました。なんと地下鉄の改札口を出ると、そのまま大丸の地階売り場へと直結したのです。

この画期的な直結を記念して、大丸が顧客に配ったのが「梅田―大丸地下鉄開通記念」というペーパークラフトでした。駅名ではなく、自社ビルへの開通だと言い切る大胆なネーミングセンスには驚かされます。実際にこの原図を複写して組み立ててみると、実に見事な仕掛けが現れます。中央の心棒を回すことで、まるでメリーゴーラウンドのように模型が回転する仕組みです。地上では御堂筋を自家用車やトラックが走り、地底では地下鉄が各駅の間をクルクルと駆け抜けていきます。

空には飛行機が飛び交い、全館完成した大丸の横ではライバルである、そごう百貨店がまだ工事中というユーモア溢れる描写もご愛敬でしょう。こうした精巧な紙のおもちゃからも、当時の旺盛な消費文化とモダンな空気感がひしひしと伝わってきます。ネット上では「大丸のたくましさにシビれる」「昭和初期の大阪のエネルギーがすごい」といった驚きの声が溢れており、当時のクリエイティブな仕掛けに多くの現代人が感銘を受けているようです。

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