ピジョン決算発表!中国EC規制と爆買い一服で減益も、新戦略で挑むベビー用品王者の未来

哺乳瓶などのベビー用品で圧倒的なシェアを誇るピジョン株式会社が、2020年02月13日に最新の連結決算を発表いたしました。今回の発表によると、最終的な儲けを示す純利益は115億円となっています。今回は決算期の変更が重なったため11カ月間の変則的な集計となっており、単純な比較は一概にできません。しかしながら、仮に例年通りの12カ月間に換算した実質的なベースで捉え直してみると、前年の同じ期間と比較して19%の減少を記録したことが明らかになりました。

この結果を受けてSNS上では、「あのピジョンですら中国市場の変化に苦戦する時代なのか」といった驚きの声が多く上がっています。さらに「我が家も愛用しているけれど、品質が良いだけに踏ん張ってほしい」という、子育て世代からの温かいエールを交えた口コミも目立ちました。今回の最終的な減益によって2期連続のマイナス成長となってしまいましたが、その背景には日本の観光業や製造業を大きく揺るがしている、中国からのインバウンド(訪日外国人旅行者)による需要の急激な落ち込みが存在します。

今回の決算における売上高は1000億円に到達したものの、これも12カ月換算の実質ベースで算出すると、前年同期比で1%の微減という結果になりました。大きな要因となったのが、中国政府が2019年01月01日から施行した電子商取引(EC)事業者への規制強化です。これによって、日本国内で商品を大量に買い付けて中国のネット通販で転売し、利益を得ていた「ソーシャルバイヤー」と呼ばれる個人や業者の活動が厳しく制限されることになりました。

本業の儲けを意味する営業利益に関しては170億円を計上しましたが、12カ月換算では12%の減少を強いられています。かつて流行語にもなった、中国人旅行者による圧倒的な「爆買い」の勢いが落ち着きを見せたことが、同社の収益構造を直撃した形です。特に利益率が高く同社の稼ぎ頭であった、高品質な哺乳瓶用の乳首や乳幼児向けのスキンケア製品の売れ行きが、当初の計画を大きく下回ってしまいました。さらに、為替相場が人民元安・円高に傾いたことも大きな逆風です。

編集部としては、今回の減益は決してピジョンの商品力が低下したわけではなく、外部の環境変化による一時的な調整局面であると捉えています。転売目的の不透明な流通が淘汰されたことは、ブランドの健全性を中長期的に維持する観点からは、むしろ好ましい変化と言えるのではないでしょうか。高い技術力を持つ日本製の育児グッズは、世界中の親御さんから今なお絶大な信頼を寄せられており、真の本物志向に応える力は十分に備わっていると考えます。

そんな中で同社が同時に公表した2020年12月期の連結業績予想では、売上高が前期比で実質5%増の1090億円、営業利益も実質5%増の181億円を見込んでおり、力強い反転攻勢への意欲が伺えます。新たな成長の鍵として、中国現地の産科病院と強固な提携を結ぶことで、ブランドの認知度を草の根から拡大していく戦略を打ち出しました。生まれ変わるベビー用品の王者が、次なるステージでどのような躍進を見せてくれるのか、今後の動向から目が離せません。

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