医療DX最前線!アメリカで注目を集めるヘルスケアスタートアップ9選とデータ連携の未来

医療の世界では、患者の診療記録を従来の紙からデジタルへと移行する電子化の波が急速に広がっています。2020年02月12日現在、各医療機関がスムーズに情報を共有できる体制の構築が急務です。もしこれが実現すれば、救急搬送された緊迫の現場でも、過去の診療データを即座に確認して最適な治療を施すことが可能になります。SNS上でも「緊急時にアレルギーや持病の情報がすぐ共有される仕組みは絶対に必要」と、期待の声が数多く上がっている状況です。

しかし、医療データの「相互運用性」、つまり異なるシステム間でデータを正しくやり取りして活用する性質の確保には、IT先進国である米国でもまだ多くの課題が残されています。単にデジタル化するだけではシステムが孤立してしまうため、共通の規格で対話できる環境が不可欠なのです。こうした医療データ連携の壁に果敢に立ち向かい、革新的なソリューションを提供するアメリカの最注目スタートアップ9社を、編集部の視点を交えて詳しくご紹介します。

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救急現場や退院後のケアを支える連携ネットワーク

まず注目すべきは、救急医療の現場を支える「コレクティブメディカル」です。同社は救急病院とかかりつけ医を繋ぐことで、不要な入院を削減し、薬物中毒者の不審な行動を見抜くプログラムを展開しています。現在は米バージニア州とタッグを組んで、州内の全救急病院を網羅するリアルタイムの情報共有システムを構築中です。命の危機に直面する現場において、一分一秒を争う情報の伝達が実現することは、救命率の向上に直結する素晴らしい取り組みだと私は確信しています。

続いて、全米1000カ所の病院と5000カ所の外来・回復期医療機関を結ぶのが「ペーシェントピン」です。このネットワークには在宅医療機関や保険会社も参加しており、患者が「いつ、どこで治療を受けているか」を関係者に即座に通知します。SNSでは「家族の介護や転院の手続きがスムーズになりそう」と利便性を評価する声が目立ちます。さらに「プリペアード・ヘルス」は、患者が退院した後の病院同士の連携を円滑にするプラットフォームを築き、地域医療の質を高めています。

ITの力で医療ミスを防ぎコストを削減する技術

技術面からアプローチする「レドックス」は、医療機関やテック企業へ「API」を提供しています。APIとは、異なるソフトウェア同士が繋がって情報を共有するための接続窓口のような仕組みです。これを利用して標準化されたインターフェースを開発すれば、各医療機関はITプロセスを効率化でき、維持管理コストを大幅に削減できます。システムが乱立する医療業界において、こうした共通の窓口を作る技術は、まさに全体の底上げに繋がる基盤となるでしょう。

データ連携の精度を高める「ベラト」は、高度なアルゴリズムで患者データの誤マッチングを防ぐ企業です。異なる組織でデータが統合される際、同姓同名の別人などが誤って紐付けられると、一歩間違えれば命に関わる医療ミスに繋がりかねません。こうした危険を未然に防ぎ、患者の安全性を高める技術には拍手を送りたいと思います。また「モクシーヘルス」は、患者への提供価値を最大化する「バリューベースドケア」を掲げ、保険会社へのスムーズな書類提出を可能にしました。

地域全体を包み込む医療情報交換(HIE)のイノベーション

異なるシステム間での円滑なデータ往来を実現する「ジオメガ」は、保険会社や医療機関がリスク特性に基づいて患者の健康管理を行えるプラットフォームです。一方「ダイアメーター・ヘルス」は、様々な医療機関から集まるデータの質を監視し、形式を整える「正規化」を支援しています。医療保険大手の出資を受けていることからも、その信頼性の高さが伺えます。データがバラバラの形式では使い物にならないため、綺麗に整える技術は隠れた主役と言えます。

最後に紹介する「オーディシャス・インクワイアリー」は、地域単位で医療情報を共有する仕組みである「HIE(医療情報交換)」の確立と強化に尽力する企業です。すでにメリーランド州やワシントンDCエリアのインフラを開発した実績を持ち、テキサス州全域でのシステム構築にも着手しています。医療データの連携は、診療の高度化だけでなく社会保障費の最適化にも直結する世界共通の重要課題であり、日本にとってもこれらの米国の動向は大変参考になるはずです。

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