工業用ミシンで世界をリードするJUKIが、2020年12月期に向けて力強い増収増益のシナリオを描いています。清原晃社長が明かした決算の展望からは、足元で世界を震撼させている新型コロナウイルス(新型肺炎)の感染拡大という逆風をはねのける、極めて具体的な戦略が見えてきました。
現在、製造業界では新型肺炎によるサプライチェーンの停滞が大きな懸念材料となっています。しかし、同社は2019年に米中貿易摩擦の激化を見据えて、すでに先手を打っていました。ベトナムへいち早く新設した保管倉庫が、この難局を打開する強力な切り札として機能し始めているのです。
ここで注目したいのが、米中貿易摩擦という「2国間の貿易において関税を掛け合うなどして対立し、世界経済に影響を与える現象」への対策が、結果的に感染症対策にも繋がった点です。この迅速なリスク分散の動きには、SNS上でも「先見の明がある経営」「危機管理能力がずば抜けている」と称賛の声が相次いでいます。
清原社長は、感染拡大が沈静化した後に必ず訪れるであろう「需要の急激な回復」を確信しています。ベトナムの拠点をフルに活用することで、一時的なマイナス分を完全に相殺し、むしろ大きな巻き返しを図る構えです。事態を静観するのではなく、攻めの姿勢を崩さない同社の覚悟が伝わってきます。
企業の真価は、誰も予想だにしない世界的な危機に直面した際、いかに柔軟に動けるかで決まるでしょう。ピンチを好機に変えようとするJUKIの挑戦は、サプライチェーンの再構築を模索する多くの日本企業にとって、希望の光となる先進的なモデルケースになるはずです。
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