米FRBの政策金利据え置き決定と、見え隠れする新型肺炎という新たな不安要素

2020年1月29日、ワシントンで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)において、米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を現状維持とすることを決定しました。これにより、短期金利の目安となるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は、年1.50%から1.75%の範囲に据え置かれることとなります。この決定は、2019年12月に続き2会合連続となります。

記者会見に臨んだパウエル議長は、「米国の景気は拡大を続けており、現在の金融政策のスタンスが適切である」と力強く主張しました。金融政策における「政策金利」とは、中央銀行が景気を調整するために設定する短期的な金利のことで、この操作によって市場に出回るお金の量をコントロールします。今回は引き上げも引き下げも行わず、様子見を続けるという判断が下されました。

振り返れば、米国経済は11年目という過去最長の景気拡大局面を迎えています。しかし、2019年には米中貿易戦争の影響で企業心理が冷え込み、FRBは計3回の「予防的な利下げ」を行いました。現在は貿易摩擦に一定の落ち着きが見られ、パウエル議長も「不確実性は幾分か和らいだ」と述べるなど、前向きな姿勢を見せています。

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忍び寄る「新型肺炎」という新たなリスクへの警戒

FRBは声明文の中で、雇用や家計支出が底堅いとして米国経済の現状に一定の自信を示しつつも、設備投資や輸出の弱さには依然として警戒感を残しています。順調に見える景気拡大の中にも、慎重姿勢を崩さない専門的な判断がうかがえます。特に注目すべきは、今回浮上した新たな懸念材料についてです。

それは、中国で拡大する新型コロナウイルスによる肺炎の問題です。パウエル議長はこれについて「中国景気や周辺国に短期的な影響が出る」と指摘し、世界経済への下振れリスクを「極めて注意深く監視する」と強調しました。SNS上でも、この会合を受けて「堅調な米国経済がいつまでこのリスクに耐えられるのか」といった不安の声や、「パンデミックに発展した場合、金融政策はどうなるのか」という市場の懸念が拡散されています。

私個人としては、今回のFRBの「様子見」は妥当な選択だと考えています。しかし、中国という世界経済の大きな歯車が止まるリスクは、単なる一過性のものとは言い切れません。FRBが掲げる「注視」という言葉の裏には、想定外の経済ショックがいつ襲ってきてもおかしくないという、張り詰めた危機感が感じられます。今後の経済指標だけでなく、感染症拡大の動向が市場の最重要テーマとなるでしょう。

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