今、日本の中古スマートフォン市場が目覚ましい成長を遂げています。携帯端末の売買事業者で構成される業界団体、リユースモバイル・ジャパン(RMJ)が2019年6月12日に公表したデータによれば、2018年度の中古携帯電話の売上高は172億円に達し、前の年度に比べて実に約4割もの大幅な増加を記録しました。この背景には、各メーカーから発売される新型スマートフォンの価格が高騰していることが挙げられます。新品が高価になるにつれて、手頃な価格で購入できる中古品の単価も全体的に上昇し、それが売上を大きく押し上げた要因であると分析されています。
一方で、販売台数に着目すると、2018年度は約130万台となり、前年度から8%の減少となりました。これは、2017年度に再生資源として産業廃棄物業者への販売が一時的に大幅に増加した反動が出たためと考えられます。しかしながら、中古品の単価上昇が、販売台数の減少分を補って余りある売上高の伸長につながったと言えるでしょう。この数字は、消費者の間で「中古でも十分」という意識が確実に広がり、高価な新品端末への支出を抑えたいというニーズが高まっていることを示しているのではないでしょうか。
中古市場の成長は、2019年度にはさらに加速することが見込まれています。RMJの粟津浜一会長は、携帯大手キャリアが導入を進めている**「通信料金と端末代金の分離プラン」が、市場拡大の大きな追い風になるとの見解を示しています。これは、これまでセット販売が主流だったスマートフォンにおいて、月々の通信サービス料金と端末本体の代金を明確に分けて請求する仕組みのことです。この分離により、端末代を別途支払う意識が高まり、割高感を覚える消費者が増える可能性があるのです。その結果、より安価な中古品を選択するユーザーが大幅に増加し、2019年度は販売台数・売上高ともに2018年度から5割ほど伸びる**と予測されております。
また、市場の動向には、特定のメーカーの動きも影響を与えています。この時期、日本の携帯大手3社が、中国の華為技術(ファーウェイ)の最新機種の発売延期や予約停止を決定しています。粟津会長は、価格競争力が非常に高いファーウェイの機種を検討していた消費者が、代替として中古市場に流れる可能性を指摘します。特に、中古スマホの価格帯でボリュームゾーンとなっている3万円前後の中級機種が、これらのユーザーの受け皿となれば、市場は一層の盛り上がりを見せるでしょう。例えば、依然として高い人気を誇るアップルの「iPhone 7」などは、2019年4月時点でも3万円程度で販売されており、性能と価格のバランスから、幅広い層に魅力的な選択肢となっている様子がうかがえます。
新品の価格高騰と、通信・端末分離プランの本格化という二つの大きな要因が重なり、中古スマホは単なる「古いもの」ではなく、「賢くお得に高性能な端末を手に入れるための選択肢」として、消費者の間でその価値を再認識されつつあると感じています。リユースモバイルという言葉が示すように、携帯端末を無駄なく活用し、環境にも配慮した持続可能な消費スタイルとしても、この市場の成長は歓迎すべきものでしょう。今後も中古スマホ市場は、日本のモバイル利用のあり方を大きく変えていくポテンシャルを秘めているに違いないでしょう。
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