愛媛県の美しい海で、これまで漁師たちを悩ませてきた「厄介者」が、驚きの健康グルメへと生まれ変わりました。愛媛県漁業協同組合連合会は、2019年11月20日、海藻のアカモクを贅沢に練り込んだ新しい乾麺「アカモクうどん」の商品化を発表したのです。
アカモクは、北海道の東部を除く日本全国の沿岸に生息する生命力豊かな海藻です。しかし、その成長の早さと長さゆえに、漁船のスクリューに絡まったり、他の海藻の日光を遮ったりすることから、これまでは海の嫌われ者として扱われてきた背景がありました。
そんなアカモクに光を当てたのが、近年の健康志向の高まりです。実はこの海藻には、免疫力を高める効果が期待される「フコイダン」という成分が豊富に含まれています。フコイダンとは、海藻特有のヌメリ成分に含まれる多糖類の一種で、体内の防御力をサポートする注目の栄養素なのです。
この原石を活かすため、農林中央金庫が橋渡し役となり、愛媛県漁連と香川県高松市の名門・石丸製麺による強力なタッグが実現しました。松山市内の企業がアカモクを丁寧に粉末化し、石丸製麺が培った技術で麺に練り込むという、四国の英知を結集させた製造工程が採用されています。
完成したうどんは、讃岐うどんならではのコシの強さと、口の中にふわっと広がる磯の香りが最大の特徴でしょう。1袋220グラム入り、480円という手頃な価格設定も魅力です。2019年の年末に向けて、年越しそばの代わりとして食卓を彩る新しい定番になるかもしれませんね。
SNS上では「あの邪魔だったアカモクが食べられるなんて驚き!」「健康に良いうどんなら罪悪感なく食べられそう」といった期待の声が早くも上がっています。地域の課題を美味しさに変えるこの取り組みは、地方創生の理想的な形だと言えるのではないでしょうか。
私自身、こうした「未利用資源」の活用には大いに賛成です。本来捨てられるはずのものが、付加価値を持つ特産品へと昇華されることは、環境にも経済にも素晴らしい循環を生みます。愛媛の海が育んだこの緑の麺が、全国の食卓へ届く日が楽しみでなりません。
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