日米貿易協定が熊本の農業を揺るがす?牛肉・豚肉への影響試算とSNSで飛び交うリアルな本音

2020年1月1日に新たな幕を開けた日米貿易協定ですが、地域経済への具体的な影響が少しずつ見えてきました。熊本県は2020年1月20日、この協定がもたらす県内の農林水産物への打撃について、独自の試算を明らかにしています。その内容は、生産額が全体で40億円から最大77億円も減少するという、非常に深刻な数字となりました。

今回の試算において、とりわけ大きな打撃を受けると予測されているのが、熊本が誇るブランド肉です。最も影響が甚大なのは牛肉であり、21億4000万円から41億8000万円の減少が見込まれています。それに続く豚肉も、8億3000万円から16億6000万円の減少という、厳しい見通しが立ちました。

国の試算では対象外だった野菜なども、熊本県は地域の実情に合わせて独自に計算へ組み込んでいます。その結果、生産量の落ち込みなども考慮した県独自の減少幅は、国の予測を最大で37億円も上回る結果となりました。食の宝庫である熊本だからこそ、市場に流れ込む安価な輸入品との競争は死活問題と言えるでしょう。

この事態に対し、熊本県の蒲島郁夫知事は「農林漁業者の皆様への影響を最小限に抑えるため、国に対して十分な予算確保を強く求めていく」と表明しました。さらに、地域の生産基盤を底上げし、海外への輸出拡大を狙う施策を推進する方針です。守るだけでなく、攻めの姿勢でこの苦境を乗り越えようとしています。

ネット上やSNSでは「熊本の美味しいお肉や野菜がピンチになるのは悲しい」「安くお肉が買えるのは嬉しいけれど、地元の農家さんを応援したい」といった複雑な胸中が吐露されています。消費者としてのメリットを喜びつつも、日本の食を支える一次産業の未来を憂慮する声が非常に多く見られました。

貿易の自由化は私たちの生活を豊かにする側面もありますが、日本の美しい農山漁村を守る視点も忘れてはなりません。国や自治体には、単なる予算措置にとどまらない、農家の方々が希望を持てる抜本的な支援策を期待します。私たち消費者が地元の食材を積極的に選ぶことも、今できる大切な一歩ではないでしょうか。

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