かつて1000年代後半に証券界を賑わせた「株式貯蓄」という画期的なフレーズをご存じでしょうか。これはリスクの低い優良株を長期保有し、まるで貯金のように資産を蓄えようという当時の戦略です。当時は企業の急成長も手伝い、個人の株式投資は見事に息を吹き返しました。
しかしバブル崩壊を経験した現代のシニア層には、今なお投資への強いアレルギーが残っています。超低金利時代であるにもかかわらず、アンケートでは「今は貯蓄の時」と答える人が圧倒的多数を占めているのが現状です。過去のトラウマが、新しい一歩を阻んでいるのかもしれません。
SNS上では「銀行にお金を預けても数十円しか増えない」と嘆く声が溢れる一方で、「配当金生活が羨ましい」という本音も散見されます。実は2018年度の上場企業の配当総額は14兆円に達しており、日本独自の株主優待も加わると、その魅力はさらに膨らむでしょう。
ここで注目したいのが「インカムゲイン」という専門用語です。これは資産を保有しているだけで定期的に得られる現金収入のことで、株式の配当金や株主優待がこれに該当します。これに対して、株価の値上がりによって得られる売却益のことを「キャピタルゲイン」と呼びます。
銀行預金と配当金の圧倒的な格差
驚くべきことに、全国の銀行が預金に対して支払う利息は年間1200億円程度に留まります。企業の配当総額と比較すると、その差はなんと100倍以上です。この巨額の利益の多くが、外国人投資家や一部の金融機関だけに流れてしまっているのは非常に大きな損失だと言えます。
これまで個人投資家は、政府の方針や金融機関の営業トークに翻弄されてきた歴史があります。結果として、現在の高配当という美味しい果実を直接受け取れていません。しかし少子高齢化が進むこれからの社会において、安定した定期収入の確保は最優先事項になるはずです。
老後の味方になるべき債券投資は、現在の日本市場ではリターンがほぼゼロに等しく、個人が購入できる選択肢も極めて限られています。だからこそ、私たちは自らの意志で一歩を踏み出し、賢く株式を取り入れる視点を持つべきではないでしょうか。
これからは、ただ銀行にお金を眠らせるだけの時代ではありません。企業のコーポレートガバナンス、つまり企業統治が強化される流れの中で、株主への利益還元は今後さらに手厚くなる可能性を秘めています。今こそ、新しい形の資産形成を検討する絶好のチャンスです。
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