【新型肺炎】アリババ・スタバ・ユニクロを直撃!中国の消費経済が直面する物流ストップと店舗閉鎖の危機

中国で猛威を振るう新型コロナウイルスによる肺炎は、現地の市民生活を支える消費関連企業に深刻な影を落としています。2020年2月2日に春節の大型連休が終了したものの、企業の休業延長措置に伴って国内の物流は大半が停止したままです。楽しみにしていたネット通販の配送が届かない状況に、SNS上では「注文した商品がいつ発送されるか分からない」「生活物資が届くか不安」といった困惑の声が広がっています。外出制限による客足の激減は、中国企業のみならず進出外資企業の経営をも直撃しているのです。

ネット通販業界では、自前の物流網を持たない最大手のアリババ集団が特に厳しい局面に立たされています。アリババの配送を担う提携企業の多くが春節休業を続けており、大半の商品が発送できない異例の事態となりました。当初は2020年2月3日から順次復旧させる方針でしたが、多くの都市で2020年2月9日まで休業が義務付けられたため、本格的な再開は2020年2月10日以降にずれ込む見通しです。一方で自社物流を持つ京東集団では生鮮品の注文が前年の4倍に急増し、現場のドライバーが悲鳴を上げています。

一方で、実店舗を構える小売業や飲食業のダメージはさらに甚大です。上海の華やかな商業施設からは人影が消え、映画館の興行収入にいたっては2020年1月24日から2020年1月30日の期間で前年比99%減という衝撃的な数字を記録しました。こうした危機的状況を受けて、米大手のスターバックスは中国全土の半数にあたる2000店舗以上を一時閉鎖しています。日本企業も例外ではなく、ファーストリテイリングが展開するユニクロが約270店舗の休業に追い込まれるなど、深刻な打撃となっています。

今回の危機は、過去の歴史と比較しても中国経済全体へより大きな打撃を与える可能性が指摘されています。2002年から2003年にかけて流行したSARS(重症急性呼吸器症候群、コロナウイルスの一種による重症肺炎)の時代、中国のGDPに占めるサービス業の割合は約4割でした。しかし、2019年にはその比率が5割を超えており、現在の中国経済はサービス業への依存度が格段に高まっています。それだけに、今回の広範な店舗閉鎖や物流マヒは、同国の景気を急速に冷え込ませる引き金になりかねません。

ネット出前などのフードデリバリーが孤立する市民のライフラインとして機能している点は唯一の救いですが、基幹産業の停滞は無視できないレベルに達しています。上海ディズニーランドも2020年1月25日から再開の目処が立たないまま休園を続けており、移動制限による交通機関の利用者数も激減しました。今や世界の成長エンジンである中国の消費市場がここまで麻痺している現状を鑑みると、企業は単なる一時的な休業対策に留まらず、長期戦を見据えたサプライチェーンの見直しを迫られていると言えるでしょう。

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