2019年5月29日の時点で、新潟県内に本拠を置く証券会社2社の2019年3月期の単独決算が出揃いました。その結果は、米中貿易摩擦の激化や、海外経済の減速に対する市場の懸念が、日本の地方経済にまで色濃く影響を与えていることを示すものとなりました。両社ともに、売上高に相当する営業収益が2桁の減少となり、投資家の慎重姿勢が業績を直撃した形です。
営業収益とは、企業の本業における売上高やサービスの対価として得られた収入の総額のことを指します。その中でも、第四証券は営業収益が前期比15パーセント減の26億円となり、特に下期に入ってから、株や債券の売買などで得られる受入手数料が伸び悩んだことが響いたようです。さらに、本業の儲けを示す営業利益は、前期から83パーセントも減少し、7,500万円という厳しい数字になりました。
一方で、第四証券は、保有していた有価証券の売却や法人保険の解約などに伴い、特別利益として13億円を計上するという一時的な要因がありました。特別利益とは、通常の営業活動以外から一時的に発生した利益のことであり、これにより最終的な税引き利益は前期比40パーセント増の10億円を確保することができました。これは、本業の不振を資産売却でカバーしたという、ややいびつな決算構造であると言えるかもしれません。
もう一方の岡三にいがた証券も、同様に厳しい結果となりました。営業収益は前期比24パーセント減の27億円となり、第四証券よりも大きな落ち込みを見せています。また、営業利益は前期から94パーセント減の4,700万円と、ほぼゼロに等しい水準まで落ち込んでしまいました。その結果、最終的な税引き利益も66パーセント減の2億5,500万円となりました。同社は今後の市場の見通しについて、「米中貿易戦争などのリスクがつきまとい、楽観的な状況になるとは見通しづらい」と、極めて慎重な姿勢を示しています。
このニュースに対するSNSの反響は、「地方の証券会社も海外リスクの影響を強く受けているのだな」「やはり個人投資家は様子見に入っている」といった、現在の市場環境に対する懸念を示す声が多く見受けられました。また、「第四証券は社名変更で心機一転頑張ってほしい」という、再スタートへの期待を込めたコメントも寄せられています。
第四証券は、2018年秋の第四北越フィナンシャルグループ(FG)の発足に伴い、同年10月1日には社名を「第四北越証券」に変更する予定です。同社は、第四銀行と北越銀行とのグループ内での連携をより強化し、サービスの向上に努めるとしており、厳しい市場環境をグループの総合力で乗り切る構えを見せています。
私自身の意見として、今回の新潟県内証券2社の決算結果は、地方の金融機関であっても、もはやグローバル経済の動向から逃れられないという現実を突きつけるものでしょう。特に、個人投資家の**「慎重姿勢」は、不確実な国際情勢に対する当然の反応**であると考えられます。証券会社は、単に株式を売買するだけでなく、こうした不透明な時代だからこそ、投資家に対してリスクを正確に説明し、中長期的な視点に立った資産形成のサポートを強化していくことこそが、信頼回復と業績向上への鍵となるのではないでしょうか。
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