2019年6月3日に財務省から発表された法人企業統計は、日本経済の力強い底力を感じさせるものでした。2019年1月~3月期の全産業(金融業・保険業を除く)における設備投資額は、前年同期比でなんと6.1%増の15兆6763億円を記録したのです。これは驚くべきことに、これで10四半期連続での前年超えとなり、まさに息の長い好調ぶりを示していますね。
この力強い設備投資を牽引したのは、特に化粧品や自動車素材などを含む化学工業の生産能力増強への意欲だと分かります。他にも建設機械を含む生産用機械が前年同期比で43%増、自動車向け部品などを手掛ける金属製品が23%増と、製造業の一部の業種が目覚ましい伸びを見せているのが印象的です。非製造業でも、建設機械などのリース資産が増えた物品賃貸業が48%増と、活発な動きが見受けられます。
同時に、全産業の経常利益も前年同期比10.3%増の22兆2440億円を達成し、1月~3月期としては過去最高を更新しました。設備投資額も、比較可能な2001年7月~9月期以降では四半期として過去3番目の大きさとなっています。企業が未来の成長を見据えて積極的にお金を投じている状況は、経済の好循環が生まれている証拠と捉えるべきでしょう。
私自身の見解としましては、この10四半期連続のプラスという事実は、短期的なブームではなく、企業経営者層の間に、「今が投資の好機である」という共通認識がしっかりと根付いていることを示していると考えています。特に化学工業は、高付加価値な製品開発や生産効率向上への投資に積極的であり、これは日本のものづくり産業の競争力強化に直結する非常に明るい材料だと評価できます。
👀製造業と非製造業で明暗が分かれる利益構造
一方で、利益の構造に目を向けると、製造業と非製造業とで明暗が分かれている現状も見逃せません。製造業の経常利益は3四半期連続で前年同期比マイナスという結果になりました。財務省によると、これは米中貿易摩擦の影響などにより、特に中国向けのスマートフォン用電子部品や輸送用機械の工場稼働率が低下しているとの声が聞かれているようです。国際的な貿易環境の不確実性が、一部の製造業の業績に影を落としていることが懸念されます。
しかし、この製造業のマイナスを補って余りある勢いを見せているのが非製造業です。非製造業の経常利益は、前年同期比で18.4%増と大幅な伸びを記録しました。この好調の背景には、サービス業における子会社からの配当拡大や、娯楽関連のイベント集客増などが大きく貢献していることが挙げられます。
この結果から、日本経済は、製造業が世界経済の影響を直接受けやすい中で、内需に支えられた非製造業が力強く経済を牽引している構図が見て取れます。これは、経済の多角化が進んでいる証拠であり、外部環境の変化に対する**日本経済のレジリエンス(回復力)**が高まっていると解釈できるのではないでしょうか。
また、国内総生産(GDP)改定値を算出する基礎となる指標、「ソフトウエアを除く全産業」の設備投資額は、季節調整済みの前期比で1.1%増となりました。この指標も2四半期連続の増加となっており、日本経済の基調が着実に上向きで推移していることを示しています。
📢SNSでの反響:「化学工業の躍進」と「貿易摩擦への懸念」
この法人企業統計の発表を受け、SNS上でも様々な意見や反応が寄せられました。特に目立っていたのは、化学工業の設備投資42%増という数字に対する驚きと、その分野の将来性への期待を表明する声です。「素材産業の強さが日本の屋台骨を支えている」といったポジティブな意見が多く見受けられました。専門用語でいえば、企業の**キャペックス(Capital Expenditures:資本支出)**が増えている、つまり将来の収益力強化のための固定資産への支出が活発であることに注目が集まっていたようです。
一方で、製造業の利益が減少している点、そしてその要因としての米中貿易摩擦への懸念も多く議論されていました。「この摩擦が長引けば、いずれ設備投資にも悪影響が出るのではないか」といった、先行きを不安視する声も一部で見受けられます。好調な設備投資の裏側にある国際情勢の不安定さが、読者にとっても大きな関心事であることがうかがえました。今後の動向を注視する必要があるでしょう。
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