シェアオフィス業界の風雲児として世界を席巻してきた米ウィーカンパニーが、現在大きな転換点を迎えています。同社は2019年11月08日、経営の健全化を目指すための抜本的なリストラ案を発表しました。これには、オンライン上でイベントを企画・運営できる「ミートアップ」などの非中核事業の売却検討が含まれています。
かつては飛ぶ鳥を落とす勢いだった同社ですが、現在は「選択と集中」を迫られている状況です。主力であるオフィス提供サービス以外の枝葉を切り離し、リソースを本業に集約させる狙いがあるのでしょう。しかし、この改革には痛みを伴う人員削減の検討も含まれており、従業員の間には緊張が走っていることが予想されます。
SNS上では、この急激な失速に対して「あまりに拡大を急ぎすぎたのではないか」といった厳しい意見が飛び交っています。一方で、巨額の資金を投じているソフトバンクグループの動向を注視する声も多く、市場は依然として冷ややかな視線を送っています。ユニコーン企業の代表格と呼ばれた企業の迷走に、多くの投資家が困惑している様子が見て取れるでしょう。
こうした経営不安に追い打ちをかけるように、法的なトラブルも表面化しました。元従業員の株主たちが、カリフォルニア州の裁判所に提訴したのです。訴えの矛先は、カリスマ的指導者であった創業者のアダム・ニューマン氏や、後ろ盾であるソフトバンクグループの代表、孫正義氏らに向けられています。
今回の訴訟の内容は、企業価値が急落したことによる株主の不利益を問うもので、経営陣の責任が厳しく追及されています。ここで注目すべき専門用語が「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」です。これは企業が不正をせず、透明性の高い経営を行うための仕組みを指しますが、ウィーワークはこの統治機能が不全に陥っていたと批判されているのです。
編集者の視点から言えば、今回の騒動はベンチャー企業が「成長」という甘美な言葉に溺れた結果と言わざるを得ません。どんなに革新的なサービスであっても、基盤となるガバナンスが脆ければ、砂上の楼閣のように崩れ去ってしまいます。ウィーワークには、今一度その足元を見つめ直し、信頼回復に向けた地道な歩みを期待したいところです。
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