2019年12月10日現在、株式市場では日経平均株価のさらなる上昇を期待する声が上がっています。しかし、実際のマーケットに目を向けると、足元の動きはどこか重苦しさを拭いきれません。前週末にアメリカ市場が大幅な上昇を記録した流れを受け、2019年12月9日の日本市場も期待を背負ってスタートしましたが、結果は小幅な伸びに留まるという、投資家にとってはもどかしい展開となりました。
こうした上値の重さの背景にあるのが、代表的な株価指標である「予想PER(株価収益率)」の存在です。PERとは、株価が1株あたりの純利益に対して何倍まで買われているかを示す尺度で、一般的には投資の割安・割高を判断する材料に使われます。現在、この数値はすでに14倍を超えており、これは2018年10月に記録したアベノミクス以降の高値水準さえも上回る、極めて高い警戒域に達しているのです。
SNS上では「企業の稼ぐ力が増えていないのに株価だけが先行しているのではないか」といった慎重論が目立ち始めています。また「ここから先は買い向かう材料が乏しい」といった悲鳴に近い声も散見されるようになりました。多くの個人投資家が、現在の株価水準に対して「実力以上の評価(オーバーバリュエーション)」を感じ取っている様子が伺え、市場全体に様子見のムードが漂っています。
本来であれば、株価を押し上げるエンジンとなるはずの円相場も、現在は膠着状態が続いており、輸出企業を支援するような円安の恩恵は期待しにくい状況です。さらに、肝心の企業業績についても成長への期待感がしぼんでおり、投資家が強気になるための決定打が欠けています。株価を支えるファンダメンタルズ(経済の基礎条件)が盤石とは言い難い中で、指標面での割高感だけが浮き彫りになっているのが現状でしょう。
編集部としては、現在の市場はまさに「踊り場」にあると分析しています。PER14倍という壁は、投資家心理にとって非常に大きな心理的抵抗線として機能するはずです。年末に向けた祝儀相場への期待感は根強いものの、裏付けとなる業績の改善や新たな好材料が飛び出さない限り、この壁を突破してさらなる高値を目指すのは容易ではないでしょう。今は根拠なき楽観を避け、冷静に市場の出方を見守るべき局面だと言えます。
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