2019年12月11日、長野財務事務所から発表された最新の法人企業景気予測調査は、県内経済の厳しい現状を浮き彫りにしました。2019年10月から12月期における全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス19.6を記録しています。これは前回調査に比べて2.3ポイントの低下となっており、県内企業の経営者が抱く先行きへの不安が、より一層強まっている様子が伺えるでしょう。
ここで指標となる「BSI」という専門用語について少し触れておきましょう。これは企業の景況感が前の時期と比較して「上昇」したと答えた割合から、「下降」したと答えた割合を引いた数値のことです。プラスなら好転、マイナスなら悪化を意味しますが、長野県内では実に5期連続でマイナスという状況が続いています。つまり、景気が後退していると感じる企業が、長期にわたって多数派を占めているわけです。
SNS上では、この結果を受けて「地元の商店街に活気がない」「工場の稼働率が落ちているのを肌で感じる」といった切実な声が散見されます。特に今回は、長年にわたる米中貿易摩擦という世界規模の経済停滞に、2019年10月に発生した台風19号の甚大な被害が追い打ちをかけました。この歴史的な自然災害は、長野県の基幹産業である製造業に対して、予想以上に深い爪痕を残していると考えられます。
製造業の苦境と復興への足掛かり
業種別に見ると、製造業の落ち込みは特に顕著で、BSIはマイナス23.2と前期より6.8ポイントも大幅に悪化しました。具体的には食料品や木材・木製品製造業などの分野で、景気の冷え込みが強く報告されています。ある食料品メーカーからは「最新設備を導入したばかりの工場が浸水し、復旧の目途すら立たない」という悲痛な叫びが上がっており、物理的な損害が生産活動を完全にストップさせている実態が明らかになりました。
一方で、非製造業についてはマイナス16.5と、わずかながら1.6ポイントの改善が見られます。これは災害復旧に関連する建設需要や、対策を練るためのコンサルティング業務が活発化したことが要因でしょう。しかし、一部の業界が支えようとしても、製造業の大きな落ち込みをカバーするには至っていません。景気の下支えを担う建設業の動きは心強いものの、県全体の経済バランスとしては非常に脆い状態にあると言えます。
私個人の見解としては、数字上の改善を待つだけでなく、被災企業への迅速かつ柔軟な金融支援や税制優遇が、今まさに求められていると感じます。設備を失った企業が「再起」を諦めてしまうことが、地域経済にとって最大の損失になるからです。2019年12月現在、信州の冬は厳しさを増していますが、冷え込む経済を温めるための官民一体となった手厚いサポートこそが、来春のV字回復を実現する鍵となるに違いありません。
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