アジアの経済を牽引する日本、中国、韓国の企業トップは、激動の世界情勢をどのように見つめているのでしょうか。2020年1月8日に発表された日中韓経営者アンケートの結果からは、先行き不透明な市場を生き抜こうとするリーダーたちのリアルな本音が浮かび上がってきました。SNS上でも「米中対立の影響がリアルに数字に出ている」「今後の投資先が東南アジアへシフトしているのが興味深い」といった声が上がっており、多くのビジネスパーソンがこの動向に熱い視線を注いでいます。
現在の世界経済に対する認識として、日本の経営者の約39.5%、韓国の約47.5%が「横ばい」と回答した一方で、中国の約47.6%は「緩やかに回復した」と答えており、国ごとに温度差があるようです。しかし、1年後の未来予測に目を向けると、日本の約41.2%、中国の約51.4%、韓国の約32.5%が「緩やかに回復する」という前向きな見通しを示しています。足元の厳しさを実感しつつも、長期的には明るい兆しを見出そうとする経営者の姿勢が窺えるでしょう。
経営者を悩ませる最大の障壁と驚きの米国大統領選予想
2020年のビジネスにおける最大の不安要素として、日本の経営者の82.6%が「米中貿易摩擦」を挙げました。これは、アメリカと中国の間で関税を掛け合うなどして対立し、世界的な貿易が停滞してしまう現象のことです。中国でも41.0%、韓国でも51.2%の経営者が懸念を示しており、3カ国共通の深刻な課題となっています。SNSでは「米中が揉めると、サプライチェーン全体が麻痺するから本当に恐ろしい」という共感のコメントが目立っていました。
さらに面白いのは、2020年の米大統領選でトランプ大統領が「再選される」と答えた割合が、日本で88.6%、中国で70.5%、韓国で75.6%と、圧倒的な高水準を記録した点です。もし再選されなかった場合、米中摩擦が「若干改善する」と予測する声が日本では100.0%に達しました。トランプ氏の動向がアジア経済の命運を握っていると言っても過言ではなく、各国のトップがその一挙手一投足に神経をとがらせている様子が鮮明に伝わってきます。
投資の最適解は東南アジア?攻めのM&Aと第4次産業革命への対応
こうしたリスクに対抗するため、経営者たちは新たな市場へと舵を切っています。製品販売や設備投資を「増やす地域」として、3カ国ともに「東南アジア」を高く評価しました。特に韓国の経営者の53.7%が東南アジアへの設備投資拡大を狙っており、チャイナ・リスクを分散させる動きが加速しています。また、企業の合併・買収を意味するM&A戦略において、日本の経営者の約64.6%が「おそらく実施する」と答えており、非常に意欲的です。
最後に見逃せないのが、「第4次産業革命」へのアプローチです。これは、AIやIoTといった先端技術を活用して、産業全体の仕組みを大きく変革することを指します。今後最も重要な新技術として、日本の54.7%、韓国の66.9%が「人工知能(AI)」を指名しました。技術確保に向けて、他社と手を結ぶ「共同開発」を推進する企業が多く、自前主義からの脱却を図るリーダーたちの柔軟な戦略には、私自身も深く感銘を受けました。
筆者の視点として、日韓関係の冷え込みという足元の課題はありつつも、それ以上に経営者たちは「米中摩擦」という地球規模の荒波を意識している印象を受けました。だからこそ、東南アジアへのシフトやAIへの投資、活発なM&Aといった「攻めの姿勢」を崩さないリーダーたちの決断力には拍手を送りたいと思います。変化の激しい時代だからこそ、こうしたデータを指針にして、私たちも未来への布石を打つべきではないでしょうか。
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