2020年1月13日に幕を開けた大相撲初場所は、早くも熱い人間ドラマが繰り広げられており、ファンの視線を集めています。注目は何といっても、2場所連続の休場から土俵へ戻ってきた横綱・鶴竜関の動向でしょう。初日こそ黒星という悔しい滑り出しでしたが、2日目となる2020年1月14日、見事な白星を挙げて復活の狼煙を上げました。
この日の対戦相手は、激しい突っ張りが武器の阿炎関です。鶴竜関は相手の猛攻を冷静に見極め、絶妙なタイミングではたき込みを決めました。はたき込みとは、相手が前に出てくる勢いを利用し、引き技で土俵に這わせる決まり手のことです。この鮮やかな技により、新年初の価値ある白星を手にすることに成功しました。
実は鶴竜関にとって、この1勝には並々ならぬ重みがあります。2019年9月場所で途中休場を余儀なくされ、続く11月場所では初日から全休を経験しました。不調の連鎖に苦しんでいただけに、本人は「悪い流れを断ち切ることができて本当に良かった」と安堵の表情を浮かべており、胸のつかえが取れたようです。
さらに、彼を取り巻く環境も大きく変化していました。長年二人三脚で歩んできた元関脇・逆鉾の井筒親方が2019年9月24日に急逝したのです。これにより陸奥部屋へと籍を移すことになり、今回は新天地で迎える初めての本場所となりました。環境の変化を乗り越えて掴んだ白星は、天国の恩師への何よりの報告と言えます。
インターネット上でも、この劇的な勝利に対して大きな反響が巻き起こりました。SNSでは「鶴竜関、本当におめでとう」「苦しい時期を乗り越えた姿に勇気をもらった」といった祝福の声が溢れています。新部屋への移籍という逆境の中でも腐らず、前を向き続けた横綱の精神力に、多くのファンが胸を熱くした模様です。
「まずは一つ勝てた。昨日よりも今日という気持ちで、これからさらに調子を上げていきたい」と、横綱は今後の戦いに向けて力強く前を向いています。苦難を乗り越えて一歩を踏み出した鶴竜関の姿は、私たちに諦めない心の大切さを教えてくれます。復活を遂げた品格ある横綱が、今場所どこまで白星を重ねるか見逃せません。
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