2020年の景気は下り坂?中国地方の企業が恐れる「五輪ロス」と人手不足の深刻な現状

帝国データバンク広島支店が実施した最新の調査によると、中国地方に拠点を置く企業の多くが今後の経済動向に対して強い危機感を抱いていることが判明しました。2020年の景気見通しに関するアンケートにおいて、経済状況が「悪化する」と予想した企業は39.8%に達しています。一方で「回復する」と見込んだのはわずか5.0%にとどまり、このネガティブな割合は2010年以降で最も高い水準を記録しました。

この冷え込んだ見通しの背景には、世界中が熱狂する一大イベントの存在があります。多くの経営者が、2020年夏の東京五輪・パラリンピックが閉幕した後に訪れるであろう、いわゆる「五輪ロス」による経済の反動減を懸念しているようです。SNS上でもこの結果に対して、「やはりお祭り騒ぎの後は怖い」「地方まで景気の恩恵が届かないまま冷え込むのでは」といった、将来への不安を吐露する声が数多く寄せられています。

業種別に詳細を見ていくと、特に消費者の動向に直面する「小売業」で悪化を懸念する声が56.3%と突出しており、現場の切実な空気が伝わってきます。それに続くのが46.2%の「運輸・倉庫業」であり、ものづくりの中心である「製造業」でも36.2%が先行きを警戒している状況です。ここでいう「踊り場局面」とは、景気の拡大も後退もせず、横ばいで足踏みしている状態を指しますが、現在の企業心理はそれを通り越して坂道を下るリスクを警戒しています。

さらに、企業の行く手を阻む最大の壁として浮き彫りになったのが「人手不足」です。今回の調査では、なんと5割を超える企業が深刻な労働力不足を景気悪化の要因として挙げており、特に「建設業」や「サービス業」、そして「運輸・倉庫業」において市場の逼迫が深刻視されています。需要があっても人手が足りずにビジネスを拡大できないという、現代日本の構造的な課題が色濃く反映された結果と言えるでしょう。

今回のアンケートは、2019年11月18日から2019年11月30日にかけて、中国地方の5県(広島県、岡山県、山口県、島根県、鳥取県)にある1256社を対象に実施され、そのうちの558社から回答を得たものです。地方経済を支える中小企業のリアルな本音が、数字となってはっきりと表れた形になりました。

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編集部EYE:地方企業が生き残るための「次の一手」とは

今回の調査結果を前にして、地方のビジネスシーンを取り巻く環境の厳しさを改めて痛感させられます。東京五輪という華やかな特需の陰で、地方の現場は常に「人手不足」という目に見えない、しかし確実に首を絞める怪物と戦い続けているのが現状です。人手が足りないために受注を制限せざるを得ないという状況は、経済的な機会損失だけでなく、企業の存続そのものを揺るがしかねない大問題であると考えます。

しかし、この「悪化局面」という予測をただ指をくわえて見ているわけにはいきません。景気の波や労働力の不足を乗り越えるためには、これまでのやり方に固執せず、業務の効率化やデジタル化を急ピッチで進めることが不可欠でしょう。ピンチをチャンスに変え、限られた人材で最大のパフォーマンスを発揮できるような組織への変革こそが、これからの激動の時代を生き抜くための鍵を握るのではないでしょうか。

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