内閣府のウェブサイトには、国が交付金を出して後押しする各都道府県の少子化対策事業がずらりと並んでいます。「人工知能(AI)と相談員を組み合わせた都市型の結婚支援策」や「膨大なデータを分析するビッグデータを活用したマッチングシステム」、「県境を越えた広域的な出会いの場の創出」など、その内容は実に先進的です。
最先端のテクノロジーがこれほどまでに社会貢献に役立っている姿を見ると、さすがは技術大国である日本だと感心させられます。インターネット上で民間の婚活アプリの口コミを調べてみると、中には偽の会員を仕込む悪質な業者の存在も噂されているのが現状です。
その点、国や自治体がまるで昔ながらの世話好きな近所のご隠居のように親身になって男女の仲を取り持ってくれるのですから、これほど心強いことはありません。SNS上でも「行政がバックアップしてくれる婚活なら安心して一歩を踏み出せる」「AIの客観的なデータによる紹介は意外な良縁に繋がりそう」といった期待の声が数多く寄せられています。
本日2020年1月13日は「成人の日」を迎えており、日本各地の自治体で新成人の門出を盛大に祝う式典が開催されています。美しい晴れ着や真新しいスーツに身を包んだ若者たちが、これからどのような未来を歩んでいくのか、彼らの人生に幸多からんことを心から願わずにはいられません。
しかし、日本の足元に目を向けると厳しい現実が横たわっています。2020年1月1日時点で20歳を迎えた若者は122万人であるのに対し、2019年に生まれた赤ちゃんの数は86万4000人にとどまり、少子化のスピードは想像以上の勢いで加速しているのです。
ここで私たちは立ち止まって考える必要があります。少子化を食い止めるために本当に知恵を絞るべきなのは、スマートな婚活の方法だけなのでしょうか。若者が将来に希望を持てる社会の土台作りこそが、本来求められているはずです。
東京の新宿区にある大久保通り沿いでは、外国人に優しい不動産屋や、イスラム教の戒律に従った食材を扱うハラルフード店がすっかり日常の風景として溶け込んでいます。それもそのはずで、2020年の新宿区の新成人のうち、なんと45%が外国籍の方々なのです。
式典の会場では、華やかな振り袖姿に混じって、世界各国の多様な民族衣装に身を包んだ新成人の姿が見られます。これからの日本は、彼らを大切な隣人として迎え入れ、共に喜びや苦しみを分かち合う時代へと確実に変化していると言えるでしょう。
この多文化共生の街に芽生えている小さな希望の光こそが、今後の日本が歩むべき正しい進路と重なるのではないでしょうか。テクノロジーによる婚活支援も大切ですが、国籍を問わず誰もが暮らしやすい多様性を認める社会の実現こそが、少子化という深刻な課題を解決する真の鍵になると私は確信しています。
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