日本のモノづくりに黄信号?2019年10〜12月期の鉱工業生産が過去最大の落ち込みを記録、新型肺炎の影にSNSでも懸念広がる

日本の経済を支える製造業の現場から、今後の動向が極めて注目される最新のデータが飛び込んできました。経済産業省が2020年01月31日に発表した2019年10〜12月期の鉱工業生産指数速報は、前の期と比べて4.0%低下の98.4にとどまり、2四半期連続のマイナスを記録したのです。これは、工場などの生産活動を数値化した「鉱工業生産」において、現行の基準で遡ることができる2013年以降で最も大きな下げ幅となります。

この急激なブレーキの背景には、海外向けの輸出や、企業が工場設備などに投資する「設備投資」の伸び悩みがあります。業種別に見ると、半導体を作るための機械が3.5%減、私たちの生活に身近な自動車も7.6%減と、軒並み元気がありません。SNS上でも「日本のモノづくりは大丈夫なのか」「景気の冷え込みが目に見えてわかって不安になる」といった、日本の製造業の先行きを心配する声が多数上がっており、国民の関心の高さがうかがえます。

経産省は、大型台風による部品供給の遅れといった一時的な悪影響は落ち着いたものの、根本的な輸出や投資の弱さが響いていると分析しました。これに対し民間シンクタンクからは、生活に使う「消費財」の落ち込みこそが、国内における消費の冷え込みを証明しているとの指摘もなされています。筆者としても、単なる一時的な災害の影響にとどまらず、国内外の買い控えが生産現場にドミノ倒しのような悪影響を与えている現状は、極めて深刻であると捉えています。

一方で、2019年12月単月のデータに目を向けると、前月比で1.3%上昇し、3ヶ月ぶりにプラスへ転じました。しかし、10月と11月の大きすぎるマイナスを補うほどの勢いは見られず、国は生産の全体的な方向性を示す基調判断を「弱含み」のまま維持しています。企業の倉庫に眠る「在庫」の量も2013年以降で最も高い水準に達しており、将来の需要に備えた意図的な積み増しという側面があるとはいえ、売れ残りのリスクを孕んでいることは否定できません。

今後の見通しとして、2020年01月は3.5%上昇、2020年02月は4.1%上昇と、メーカー各社は増産を計画しているようです。ただ、この予測調査が実施された時点では、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の猛威が考慮されていない点に注意しなければなりません。中国政府がさらに厳しい活動制限に踏み切れば、現地の工場停止が長引き、日本のサプライチェーンや需要にも測り知れない大打撃を及ぼすでしょう。

企業の計画通りに生産が回復するかは、まさにこの新型肺炎の動向が鍵を握っていると言えます。日本が誇るモノづくりの底力が試されると同時に、世界規模の不透明なリスクにどう立ち向かうのか、政府や企業には迅速かつ柔軟な舵取りが求められているのではないでしょうか。私たち消費者の生活防衛も含め、今後の経済動向からは一時も目が離せそうにありません。

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