1995年1月17日に発生した阪神大震災から、本日で25年という大きな節目を迎えました。当時の被害総額は10兆円近くに達し、神戸の経済を支えていた重工業や地場産業は深刻な打撃を受けたのです。しかし、この四半世紀で街は力強い進化を遂げています。産官学が一体となって新産業の育成に挑み続けた結果、神戸は今、最先端の「医療産業都市」へと見事な変貌を遂げつつあるのをご存知でしょうか。
震災前の神戸といえば鉄鋼や造船といった重厚長大産業が中心でしたが、現在は医療ヘルスケア分野が経済を牽引しています。企業の価値を示す時価総額を見ると、その変化は一目瞭然です。1994年12月末には神戸製鋼所や川崎重工業が上位を占めていましたが、2019年12月末には医療機器大手のシスメックスが約1兆6000億円に達し、かつての主力企業を大きく上回る規模へと成長を遂げました。
この劇的な産業構造の変化を支えたのが、人工島のポートアイランドで展開される「神戸医療産業都市」構想です。1998年に震災復興事業としてスタートしたこのプロジェクトには、現在368もの企業や団体が集結しています。さらに1万人を超える雇用を生み出す一大拠点となりました。SNS上でも「復興からここまで先進的な街に生まれ変わるなんて感動的だ」と、その歩みを称賛する声が多数上がっています。
さらに神戸市は、健康とITを融合させた「ヘルステック」と呼ばれる革新的な分野の企業育成にも注力しています。2019年末にはアメリカの高名なベンチャーキャピタルと組み、最先端技術を持つスタートアップの支援プログラムを初めて開催しました。また、川崎重工業とシスメックスが共同出資した「メディカロイド」は、日本初となる手術支援ロボットの開発に挑戦しており、伝統の技術と最先端医療の融合が期待されます。
震災後の神戸市は厳しい財政難に直面し、20年間で職員を3分の1も削減する苦肉の策を講じてきました。しかし、約2000億円にのぼる災害復旧債を2016年度にようやく完済したことで、未来への投資を行う準備が整ったのです。2020年夏には、国連機関が「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けたアジア初のスタートアップ育成拠点を神戸に開設することが決定し、国際的な注目も集まっています。
インフラ面でも、神戸港の2018年のコンテナ取扱量が過去最高を記録するなど、経済の復調を示す明るい兆しが見えてきました。兵庫県内の総生産の伸び率も、ここ5年間は全国平均をわずかに上回る大健闘を見せています。震災の逆境を跳ね返し、最先端の知見が集まるイノベーションの街へと脱皮を遂げた神戸市の底力には、一人のメディア編集者としても深い敬意を抱かざるを得ません。
一方で、現在の神戸市には約152万人が暮らしていますが、近年は再び人口減少という新たな壁に直面しています。これからの25年を見据えた時、医療産業の発展だけでなく、子育て支援の拡充や魅力的な駅前再開発など、住民が住み続けたいと思える街づくりが不可欠でしょう。過去の悲劇を乗り越えた神戸が、最先端技術と暮らしやすさを両立した真の国際都市として輝き続ける未来を信じています。
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