🔥【データの世紀】新指標「情報GDP」が示す世界の競争力!米英中に後れを取る日本の課題とは?

今、世界は「データエコノミー」という新たな経済の波に乗り出しており、各国がこのデジタル時代の競争力を高めようと凌ぎを削っています。2019年6月27日、米国の研究者らによって提唱された**「新たなGDP(データ総生産)」、通称「情報GDP(グロス・データ・プロダクト)」が、このデータ時代における各国の国力を測る先行指標として大きな注目を集めています。これは従来の国内総生産(GDP)をもじって名付けられた指標で、データが経済活動の核となる現代において、どの国が将来的な成長を遂げるかを占う鍵となるでしょう。

この「情報GDP」は、米タフツ大学のグローバル経営論の権威であるバスカー・チャクラボルティ氏らが考案し公表したものです。各国のデータ経済の規模を客観的に評価するため、単なるデータの量だけでなく、(1)データの生成量、(2)インターネットのユーザー数、(3)データへの接しやすさ、(4)1人当たりのデータ消費量という、多角的な4つの観点から分析が行われました。特に(3)のデータへの接しやすさ、つまり行政データなどの公開度合い(オープンデータへの取り組み)は、データの活用環境を測る上で重要な要素となっています。

分析の結果、世界のデータ国力ランキングのトップに輝いたのは米国でした。データの生成量が他国を圧倒的にリードしているだけでなく、他の3項目においても高い評価を得ています。次いで2位にランクインしたのが英国で、特にデータへの接しやすさの点で優位性を見せました。そして、インターネットユーザー数が圧倒的な規模を誇る中国が3位に入り、米国、英国、中国の3カ国が、データ時代の新たな競争力の「3強」として世界を牽引している構図が明らかになったのです。上位にはスイスや韓国も名を連ねており、これらの国々がデータ経済の広がりとともに今後、目覚ましい成長を遂げる可能性が示唆されています。

一方で、日本の評価は芳しくなく、11位という結果にとどまりました。カナダやオーストラリアなどの国々にも後塵を拝する形となり、特に日本の順位を大きく押し下げた要因は「データへの接しやすさ」の評価の低さにあると指摘されています。これは、行政データの公開、いわゆるオープンデータ化の取り組みがなかなか進まない現状が響いているといえるでしょう。タフツ大学のチャクラボルティ氏は、日本の現状について「ネットサービスの普及率は先進国の中でも高いものの、高齢化によってその普及が頭打ちになっている」と分析しています。

さらにチャクラボルティ氏は、日本で「大企業を中心としてサービス開発が進む点」もデータ経済の停滞要因の一つであると指摘しています。データエコノミーの活性化には、行政が保有する公開データを増やし、それをスタートアップや中小企業などが自由に、そして効率よく活用できる環境を整備することが極めて重要であるとの見解を示しています。私見ではありますが、これは日本のイノベーション創出の活力を左右する重大な課題であり、データの利活用に対する意識改革と、それを支える法制度やインフラ整備が急務であると考えられます。

しかし、この問題の解消へ向けた道のりは、決して平坦ではありません。日本政府は、2017年に「2020年度までにすべての自治体がオープンデータに取り組む」という目標を策定しました。しかし、2019年3月時点での進捗状況は、目標とはかけ離れたもので、実際にオープンデータに取り組む自治体は、横浜市や神戸市などごく一部の都市に限定され、全体のわずか26パーセントにとどまっています。高知県内にいたっては、データを公開している市町村が一つもないという厳しい現実が浮き彫りになりました。高知県庁の関係者からは「各市町村が情報開示のメリットを十分に理解していない」という声が聞かれ、自治体レベルでの取り組みの熱意が高まらないことが課題となっています。

データエコノミーにおいて、経済を効果的に発展させるには、多種多様なデータを相互に連携させて活用する、いわゆるデータの掛け合わせ**や、人工知能(AI)による高度な解析が不可欠となります。しかし、行政データの公開や企業間での民間データの共有が進まなければ、そもそも活用する「元のデータそのもの」が不足してしまい、技術があっても有効に生かすことができません。データ時代の競争力を高めるためには、国や自治体、そして企業が一体となり、このデータ活用環境の整備に取り組むことが、喫緊の課題と言えるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました