「反核画家」四国五郎の原点とは?弟の被爆死が変えた生涯と今なお胸を打つ絆の物語

2020年2月6日現在、広島市の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館にて、ある兄弟の絆を軸にした心揺さぶる企画展が開催されています。主人公は、絵本『おこりじぞう』の挿絵で知られる詩人画家、故・四国五郎さんです。戦後の広島で反戦・反核を訴え続けた彼の創作活動、その魂の根源に深く迫る展示となっています。

四国さんは1924年に生まれ、20歳だった1944年に徴兵され、旧満州で終戦を迎えました。彼には将来、共に絵の道を歩むことを誓い合っていた3歳下の弟、直登さんがいました。しかし、再会を夢見て帰国した四国さんを待っていたのは、弟が爆心地から約1キロの場所で被爆し、わずか3週間後に息を引き取ったという過酷な現実でした。

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怒りと悲しみを芸術へ昇華させる

シベリアでの抑留生活を経て1948年に帰郷した四国さんは、弟の死を知り、深い悲しみと国家権力への激しい怒りに包まれます。この強烈な感情が、彼を「反核画家」としての道へと駆り立てました。私自身、この経緯を知るたびに、個人の人生を無慈悲に引き裂く戦争の理不尽さと、それを乗り越え表現へと昇華させた芸術の力に強い衝撃を受けずにはいられません。

SNS上でも「四国五郎という存在を忘れてはならない」「日記を読んでいると当時の広島の惨状が伝わり胸が締め付けられる」といった声が上がっています。悲しみを個人のものに留めず、平和へのメッセージへと変え続けた四国さんの姿勢は、今の時代を生きる私たちにとっても、平和を考える上で重要な指針となるでしょう。

木内みどりさんの遺作となった渾身の映像

本展の目玉は、兄弟の絆を描き出した約30分間のドキュメンタリー映像です。ここでは四国さんの作品と弟さんの日記が交錯し、二人の魂の対話が描き出されます。注目すべきは、この映像で兄弟の声を担当しているのが、2019年11月に急逝された俳優の木内みどりさんだという点です。これが彼女の遺作となったことからも、この展示が持つ深い想いが伝わってきます。

開催期間は2020年12月29日までです。単なる過去の記録の展示に留まらず、現在へと続く「平和への願い」を肌で感じられる貴重な機会ではないでしょうか。広島を訪れる際はもちろん、多くの方にこの兄弟の物語を通じて、命と平和の尊さについて今一度思いを馳せていただきたいと切に願います。

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