がんの「C」を消し去る!delete Cが巻き起こす、おしゃれで楽しい寄付の新しいカタチ

「誰もががん治療を応援できる社会へ」という熱い想いを胸に、今まさに新しい寄付のカルチャーを作り出している女性がいます。乳がんの当事者であり、デザイナーとしても活躍する37歳の中島ナオさんです。彼女が代表を務めるプロジェクト「delete C(デリート・シー)」は、がん(Cancer)の頭文字である「C」を消すというユニークな表現で、治療研究を日常の中で応援する画期的な仕組みを提案しています。

2020年2月1日は、このプロジェクトにとって記念すべき特別な一日となりました。なぜなら、多くの人々の想いが詰まったがん治療研究への寄付が、初めて現実のものとなったからです。SNS上でもこのニュースは瞬く間に拡散され、「お買い物で応援できるなんて素晴らしい」「誰もが参加できる温かい仕組み」といった共感の声が次々と寄せられています。これまでの重々しい寄付のイメージを覆す、ポジティブな循環が生まれつつあるのでしょう。

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日常の消費が未来の命を救う仕組みへ

delete Cのアイデアは極めてシンプルかつスタイリッシュです。賛同する企業や自治体が、自社の商品名やサービスからあえて「C」の文字を消したり、プロジェクトの公式ロゴをあしらったりした限定商品を販売します。そして、その売上の一部ががんの治療研究費として寄付される仕組みです。すでにサントリー食品インターナショナルの人気飲料「C.C.レモン」とのコラボレーションなどが実現し、支援の輪は着実に広がっています。

中島さん自身、31歳の時に乳がんの宣告を受け、現在は進行した状態である「ステージ4(がんが他の臓器などに転移している進行期)」と向き合いながら、3週間に1回の通院を続けています。かつて抗がん剤の副作用によって髪が抜けてしまった経験を乗り越え、自ら帽子のブランドを立ち上げるなど、デザイナーとしての手腕を活かして社会との繋がりを模索してきました。しかし、彼女の心には常に「根本からがんを治せる病気にするために何ができるか」という問いがあったのです。

一発のひらめきから始まった奇跡のプロジェクト

転機は突然訪れました。アメリカにある世界最高峰のがん研究機関「MDアンダーソンがんセンター」の上野直人医師との出会いが、中島さんの背中を押します。研究への応援システムを作りたいという彼女の提案に、上野医師は「ぜひ進めるべきだ」と快諾してくれたのです。その翌日、中島さんがプロデューサーの友人である小国士朗さんに手渡した上野医師の名刺には、組織名にある「Cancer」の文字が線で消されていました。

それを見た小国さんの頭に、一気に現在の仕組みのインスピレーションが湧き起こりました。中島さんがプロジェクトを「delete C」と名付け、2019年2月にはクラウドファンディングで約160万円もの資金を調達することに成功します。さらに2019年9月24日にはNPO法人として本格的な始動を果たしました。病気と闘うのではなく、みんなで未来を変えるお祭りのように楽しむ姿勢こそが、現代の消費者の心に深く刺さっているのだと感じます。

誰もが当事者として未来を創造する時代

中島さんは今、「毎日がとにかく楽しい」とはじけるような笑顔で語ってくれます。がんを誰もが治せる病気に変えたいという彼女の執念とピュアな情熱が、奇跡のような未来を確実に手繰り寄せているのでしょう。従来のような義務感に基づく寄付ではなく、デザインの力でワクワクしながら参加できるこのプロジェクトは、これからのバリアフリーの本質を突いているのではないでしょうか。

私たちは、病気という言葉を聞くとどうしても悲観的になりがちです。しかし、delete Cが提示する「日常のお買い物が誰かの命を救う研究に直結する」という動線は、社会全体を優しく包み込む包容力に満ちています。一過性のブームに終わらせることなく、この素晴らしい取り組みがより多くの企業へと波及し、日本の新しいスタンダードとして定着することを心から願ってやみません。

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