広告業界の大手である博報堂DYホールディングスが、2020年2月10日に最新の連結決算を発表しました。2019年4月1日から2019年12月31日までの期間において、純利益は前年の同じ時期と比べて16%減少の316億円となった模様です。この結果に対してSNS上では、大企業の減益ニュースに驚く声が上がる一方で、広告業界の構造変化を冷静に分析するコメントが多く見られました。
今回の利益減少には、明確な背景が存在します。前年には子会社が保有していたメルカリの株式を売却したことで大きな利益を得ていましたが、その売却益が減少したことが響きました。さらに、年金制度の改定によって一時的に発生していた特別利益がなくなったことも影響しています。つまり、本業の勢いが急激に衰えたというわけではなく、前年の特殊な要因による反動という側面が強いと言えるでしょう。
一方で、売上高そのものは1%増加して1兆682億円に達しています。ここで注目すべきは、広告メディアの内訳に劇的な変化が起きている点です。インターネット向けの広告が10%増という驚異的な伸びを記録しました。この「ネット広告」とは、ウェブサイトやSNS、動画配信サイトなどに掲載される広告のことで、スマートフォンやパソコンの普及に伴い、現代のプロモーションには欠かせない主役となっています。
その反面、従来の4大マスメディア向け広告は、ラジオを除いて前年の実績を下回る結果となりました。なかでも最も大きな規模を誇るテレビ広告は3%減少しており、業種別では飲料や不動産の広告出稿が落ち込んでいます。これにより、本業の儲けを示す営業利益は24%減の376億円となりました。このテレビの苦戦には、ネット動画配信サービスの台頭による視聴者のテレビ離れがリアルに反映されていると感じます。
私は今回の決算を見て、メディアの主権が完全にテレビからインターネットへ移行しつつあることを確信しました。これからの時代、企業はただ大衆に向けてCMを流すだけでなく、ネット広告の強みである「個人の興味に合わせた的確なアプローチ」をいかに洗練させるかが勝負となります。博報堂DYがこの大転換期をどう乗り越え、新たなデジタル戦略を仕掛けていくのか、今後の動向から目が離せません。
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