ビジネスウェア大手として知られるAOKIホールディングスの業績に、いま大きな変化の波が押し寄せています。同社が2020年2月6日に発表を予定している2019年4月から12月期の連結決算において、本業の儲けを示す営業利益が前年の同じ時期と比べて約8割も減少した模様です。金額にして9億円程度にまで落ち込んだとみられ、今回の急激な減益ニュースはインターネット上でも大きな注目を集めています。
SNSでは「今年の冬は本当に暖かいからコートを買わなかった」「最近は会社もカジュアルな服装が増えたし、スーツを着る機会が減ったよね」といった消費者のリアルな声が続々と上がっています。一方で、同社が運営するインターネットカフェに対しては「快活CLUBはいつもお世話になっている」「あそこは本当に快適だから伸びるのも納得」など、好意的な意見や驚きのコメントが多数寄せられており、人々の関心の高さが窺えるでしょう。
暖冬とカジュアル化のダブルパンチ!ファッション事業の苦戦
今回の大幅な減益をもたらした最大の要因は、記録的な暖冬による防寒着の販売不振です。コートなどの高単価な冬物衣料が売れ悩んだことに加え、ビジネスシーンにおけるファッションの多様化、いわゆる「カジュアル化」の波がスーツの売れ行きを直撃しました。これによって、既存店の売上高は7%も減少する形となっています。時代の変化に合わせて店舗数を1割弱ほど減らす構造改革を進めていますが、その影響もあり全体の売上高は5%減の1270億円程度に留まりそうです。
こうした状況に対して、私はアパレル業界全体が既存のビジネスモデルからの脱却を迫られていると感じます。ただ寒くなるのを待つのではなく、気温の変化に左右されない機能性素材の開発や、オフィスカジュアルに特化した新しいスタイルの提案をよりスピーディーに進めるべきではないでしょうか。消費者のライフスタイルが激変している今だからこそ、伝統的なスーツ量販店という枠組みを飛び越えた、次世代の店舗づくりが求められていると言えます。
ブライダル事業の停滞と快活CLUBに見る未来への光
さらに、同社が手がける結婚式場運営のブライダル事業についても、成約件数が思うように伸びず苦しい戦いが続いています。しかし、すべての事業が低迷しているわけではありません。同社が成長の柱として期待を寄せる複合カフェ事業、つまり「快活CLUB」は、既存店が非常に好調で売上をしっかりと伸ばしています。今回は積極的な新規出店の費用がかさんだため利益を圧迫したものの、この投資は将来への確かな布石となるはずです。
少子化やナシ婚化が進むブライダル市場での苦戦は予測できたことですが、快活CLUBの成長ぶりには目を見張るものがあります。シェアオフィスとしての需要や個室ニーズを捉えたこの事業は、今後の同社を支える最大の武器になるでしょう。アパレルで培った接客ノウハウをサービス業へ応用し、時代のニーズに合致した空間を提供し続ける姿勢こそが、これからの厳しい市場を生き抜く突破口になると私は確信しています。
2020年3月期の通期予想と今後の展望はどうなる?
気になる2020年3月期の通期業績予想について、AOKIホールディングスはこれまでの見通しを据え置く可能性が極めて高い状況です。最終的な通期の売上高は前の期と比べて1%減の1925億円、営業利益は9%減の123億円を見込んでいます。秋冬の遅れを春先の需要でどこまで巻き返せるか、そして注力する複合カフェ事業がどれほど収益に貢献してくるかが、これからの業績回復に向けた非常に重要な分岐点になるでしょう。
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