内航貨物船の輸送量が2%減少!2019年の国内物流から見える背景と今後の展望

私たちが日常的に消費するさまざまな物資を運ぶ、日本の「内航貨物船(ないこうかもつせん)」。これは国内の港から港へと荷物を運ぶ重要な船のことで、まさに日本経済の血液のような存在です。しかし、日本内航海運組合総連合会(東京・千代田)がまとめた最新のデータによると、2019年の輸送量は約2億1769万トンにとどまり、2018年と比べて2%落ち込んでしまったことが明らかになりました。

特に大きな影響を受けたのが、産業を支える基礎的な原材料の数々です。品目別に詳しく見ていくと、建設や製造に欠かせない鋼材(こうざい)の輸送量が4203万8000トンと、2018年比で5%減少しました。さらに、コンクリートなどの材料になる石灰石をはじめとした原料も5239万2000トンと6%減り、紙・パルプにいたっては227万4000トンで5%のマイナスを記録しています。

このニュースを受けてSNS上では、「景気の冷え込みがダイレクトに物流に表れているのではないか」といった、経済の先行きを不安視する声が目立ちます。さらに、物流業界全体が直面している「深刻な船員不足や高齢化が影響しているのでは」という構造的な課題を指摘する意見も散見されました。国内のモノの動きが鈍くなっている現状に、多くのユーザーが強い関心を寄せている様子がうかがえるでしょう。

とりわけ顕著な落ち込みを見せたのが2019年12月で、単月の輸送量は1773万7000トンと、2018年12月に比べて実に8%もの大幅な減少となりました。年末の繁忙期であるはずの時期にこれほど数字が落ち込んだ事実は、製造業全体の製造ラインの停滞や、国内の需要そのものが急速に縮小している可能性を如実に物語っていると考えられます。

編集部としては、この輸送量減少を単なる一時的な落ち込みと楽観視すべきではないと強く感じています。なぜなら、内航海運は日本の国内貨物輸送の約4割を担う重要なインフラだからです。産業の基盤となる材料の動きが鈍っている今こそ、環境負荷が低い船舶輸送へシフトする「モーダルシフト」の加速や、ITを活用した効率化など、抜本的な変革が求められているのではないでしょうか。

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