千葉県を基盤に地域密着型の店舗を展開する京成ストアが、実におよそ10年ぶりとなるスーパーの新規出店へ向けて舵を切りました。同社は2010年4月以来、新規の出店を凍結し、既存の店舗統廃合を進めて経営の健全化に注力してきた経緯があります。その構造改革に一定のめどがついたことで、2020年2月12日、ついに売上回復を目指した反転攻勢に打って出ることが明らかになりました。この大胆な戦略転換に対し、SNS上では「地元に新しいお店ができるのが楽しみ」「攻めの姿勢を応援したい」といった期待の声が早くも寄せられています。
今回の戦略の柱となるのが、主力のスーパーブランド「リブレ京成」において、従来店舗の3分の1ほどの規模に抑えた「小型店」の展開です。京成線や新京成線の駅近くという利便性の高い立地をターゲットに、3年以内に2店舗の開業を計画しています。注目すべきは、店舗内に惣菜などを調理する「キッチン設備」を持たないという独自の運営スタイルです。近隣にある既存の大型店からパンや揚げ物といった出来たての商品を効率的に配送する仕組みを構築し、スピード感のある店舗運営を目指します。
このシステムには、激しい競争を勝ち抜くためのスマートな工夫が隠されています。バックヤードでの調理工程をなくすことで、スーパー経営の大きな課題である「人件費の負担」を劇的に抑制することが可能になるのです。さらに、大掛かりな厨房設備がいらないため、狭い土地面積でも柔軟に出店できるようになります。限られたスペースを有効活用するこの手法は、駅前の一等地を確保する上で非常に強力な武器になるでしょう。無駄を削ぎ落とした効率的なビジネスモデルへの進化は、まさに時代のニーズを捉えた英断だと言えます。
さらに同社は、自社ブランドだけでなく、神戸物産が全国展開する「業務スーパー」のフランチャイズ(FC)加盟店としても名乗りを上げました。業務スーパーとは、独自の海外ルートや自社工場を活用し、大容量の食材を圧倒的な低価格で提供する人気の小売ビジネスのことです。京成ストアは、2020年内をめどに千葉県西部と東京都内の新たな立地へ、それぞれ1店舗ずつ開業する方針を示しています。総投資額は数億円規模にのぼる見通しで、新しい顧客層の開拓に向けた本気度が伺えます。
この業務スーパーは各店舗330平方メートル程度の広さを予定しており、飲料のまとめ買いなどに強みを持っています。地域密着型のリブレ京成とはターゲットとなる客層や品揃えが大きく異なるため、お互いの強みを活かした見事な住み分けが実現するでしょう。今後は駅から離れた、自動車での利用が多いロードサイドへの展開も視野に入れているようです。まずは2022年までに、この業務スーパー事業だけで売上高15億円を達成するという高い目標を掲げており、同社の新しい挑戦から目が離せません。
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