2019年7月1日付で発令された富士ゼロックスの人事異動は、同社が推進する「スマートワークイノベーション(SWI)」事業の強化に向けた強い意志を示すものでしょう。特に、アドバンスドインダストリアルサービス事業本部やエンタープライズドキュメントソリューション事業本部といった主要部門において、SWIに関連する重要なポストへの異動が相次いでいる点は注目に値します。この大規模な組織再編と人事は、デジタル時代における顧客の働き方そのものを変革するという、富士ゼロックスの戦略が本格的に動き出したことを示唆しています。ビジネスの現場にデジタル技術を深く浸透させ、生産性の向上と新しい価値創造を目指すSWIへの期待は高まるばかりです。
今回の人事では、まずアドバンスドインダストリアルサービス事業本部において、デジタルプラットフォームの要職に山口幸一氏が就任しました。同氏はSWI事業本部で事業企画管理を担当されていた経歴を持ち、その経験と知見を活かし、デジタル技術を基盤とした新たなサービス提供体制の構築を牽引されることでしょう。また、同事業本部の事業企画管理には野口達也氏が新たに就任し、事業全体の戦略的な推進を担っていくことになります。さらに、営業戦略を統括する販売戦略推進のポジションには、グラフィックコミュニケーションサービス営業から吉岡東吾氏が異動されました。これは、専門的なサービス提供の経験を全社的な販売戦略に活かし、市場での競争力を高める狙いがあると考えられます。
デジタル技術とサービスを顧客の課題解決に結びつけるシステムエンジニアリングの分野では、SWI事業本部インダストリーソリューションズで活躍されていた大西美佐子氏が就任されました。これは、業界特有の課題解決に特化したソリューション提供のノウハウが、技術とサービスを連携させる現場で重要視されている表れと言えるでしょう。また、エンタープライズドキュメントソリューション事業本部では、SWIを全社的に推進するSWI推進に藤田亨氏が、そしてその根幹となるSWI開発には倉繁宏輔氏が着任されています。藤田氏はグローバルオファリングス部門での経験、倉繁氏はソフトウェア&エレクトロニクス開発本部でのソリューション開発の経験を活かし、革新的な製品やサービスの開発を加速させていくことが期待されます。
SWIの中核となる「XOS(クロスオーエス)」の推進役には、SWI事業本部グローバルサービス出身の高村勲氏が就任しました。XOSとは、富士ゼロックスが提供する複合機やプリンターといったデジタル機器と、クラウドサービスなどのIT環境を結びつけ、ドキュメントの効率的な管理やビジネスプロセスの改善を実現するためのプラットフォームのことです。このプラットフォームの普及は、同社が目指すスマートワークイノベーションの鍵を握ると言っても過言ではありません。そして、グラフィックコミュニケーションサービス事業本部では、青木稔氏がグラフィックコミュニケーションサービス営業の要職に就き、印刷業界やクリエイティブ分野へのソリューション提供を強化していく姿勢がうかがえます。
これらの人事は、富士ゼロックスが「スマートワークイノベーション」を全社的な最優先事項と位置づけ、組織全体でデジタル変革を加速させていくという、強い決意を反映しています。SNS上では、具体的な人事内容に対する直接的な大きな反響は見られませんが、富士ゼロックスが提供するソリューションや、同社のビジネスモデル変革への関心は非常に高い状況です。「働き方改革」が社会的なテーマとなる中、単なるドキュメント管理の枠を超え、企業の成長を支えるITサービス企業へと進化しようとする同社の動きは、今後も大きな注目を集めるでしょう。今回の新たな体制のもと、富士ゼロックスがどのような革新的な価値を市場に提供していくのか、期待してその動向を見守りたいと思います。
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