欧州議会選挙「想定以下」で日立・ナカニシ株が堅調!しかし市場は「合意なき離脱」の悪夢に依然警戒か?

2019年5月27日の東京株式市場で、欧州関連銘柄が息を吹き返しました。欧州に事業基盤を持つ日立製作所やナカニシの株価が、そろって前週末(2019年5月24日)に比べ2%上昇するなど、堅調な値動きを見せたのです。SNSでも「欧州関連、ひとまず買い戻しか」「最悪の事態は免れたかな」といった、安堵の声が聞かれました。

この株価上昇の背景にあるのは、2019年5月23日から26日にかけて実施された「欧州議会選挙」の結果です。市場が最も懸念していたのは、EU(欧州連合)の統合に批判的な勢力、いわゆる「EU懐疑派」がどれだけ議席を伸ばすかという点でした。しかし、蓋を開けてみれば「事前の想定ほどではなかった」(SMBC日興証券・末沢氏)との見方が広がり、過度な警戒感が和らいだのです。

これを受け、選挙前まで大きく売り込まれていた銘柄に「買い戻し」が入りました。「買い戻し」とは、株価が下がりすぎたと判断して買い直す動きや、下落を見込んで「空売り」していた投資家が、損失を確定させないために株を買い戻す動きを指します。この日、日本板硝子やキヤノンも1%上昇するなど、恩恵は幅広く及びました。

しかし、専門家の間では「この反発は一時的に過ぎない」という冷ややかな声も根強く残っています。なぜなら、欧州を覆う政治不安の霧は、全く晴れていないからです。最大の火種である英国のEU離脱(ブレグジット)問題では、EUからの早期離脱を目指す強硬派の政党が第1党に躍進。むしろ、強行路線が強まったとの見方すら出ています。

第一生命経済研究所の田中理氏は、英国の保守党が「合意なき離脱」へと舵を切れば、市場の不安は再び強まるだろうと警鐘を鳴らしています。「合意なき離脱」とは、何の取り決めもないまま英国がEUを離脱する最悪のシナリオで、経済の大混乱が予測されます。さらにギリシャでも与党が大敗して解散総選挙に追い込まれるなど、欧州の不安定要素は依然として山積みです。

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