2019年10月に実施された消費税率の引き上げから2ヶ月が経過しましたが、私たちの暮らしに直結する「物価」の動きは、予想以上に穏やかな状態が続いているようです。総務省が2019年12月20日に発表した11月の全国消費者物価指数(CPI)によれば、生鮮食品を除いた総合指数は102.2となり、前年の同じ月と比べて0.5%の上昇にとどまりました。
この数字だけを見ると「物価が上がっている」と感じるかもしれませんが、実は増税による強制的な押し上げ効果を除外すると、実質的な上昇率はわずか0.2%にすぎません。これは、私たちが日常的に感じる「モノの値段」が、景気の刺激によって自然に上がっているわけではないことを示唆しているでしょう。
SNS上では、この発表を受けて「増税したのに物価が上がらないのは、みんながお金を使わなくなったからでは?」「給料が増えない中でこれ以上の物価高は困るけれど、景気が冷え込んでいるようで不安だ」といった、消費者の切実な声が数多く寄せられています。
「低空飛行」が続く背景と経済への影響
物価の伸びがこれほどまでに鈍い主な要因としては、世界的なエネルギー価格の下落が挙げられるでしょう。ガソリン代や電気代といったコストが抑えられたことは家計にとって一時的な助けになりますが、一方で「消費の基調」そのものが弱まっている可能性も否定できません。
ここで注目すべき「消費者物価指数(CPI)」とは、消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定する、いわば「経済の体温計」のような重要な指標です。この体温が低いまま推移している事実は、デフレ脱却を目指す日本経済にとって、依然として厳しい壁が立ちはだかっていることを物語っています。
増税の影響を除いた正味の上昇率は、2019年10月から横ばいで推移しており、これは2017年3月以来の低水準という記録的な状況です。編集者としての視点で見れば、企業が消費者の「買い控え」を恐れて価格転嫁を躊躇している構図が透けて見えます。
物価が上がらないことは短期的にはメリットに思えますが、企業の利益が減り、巡り巡って私たちの賃金が上がらないという悪循環を招くリスクを含んでいます。政府には単なる増税対策だけでなく、国民が将来に希望を持って財布の紐を緩められるような、抜本的な経済対策を期待したいところですね。
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