日産自動車の経営体制が、今まさに歴史的な大転換期を迎えています。同社は2020年01月16日に、カルロス・ゴーン元会長による一連の不祥事に関する経緯と、今後の具体的な企業統治の改善策をまとめた報告書を東京証券取引所へ提出しました。今回の報告書で最も注目を集めているのが、長年続いていた相談役や顧問制度を原則として廃止するという大胆な決断です。経営トップのOBを一掃することで、これまでの不透明な意思決定プロセスを完全にクリーンにする狙いがあるのでしょう。
日産側は今回の報告書の中で、不正を招いた最大の原因はゴーン氏への権限の過度な集中であったと明確に結論付けています。人事や報酬といった重要な決定が特定の個人に握られていたため、取締役会が形骸化していたのは紛れもない事実です。ネット上では「これでようやく膿が戻らない仕組みができる」「OBの院政を遮断するのは企業改革の基本」といった、今回の抜本的なメス入れを歓迎する声が数多く上がっており、SNSでも日産の覚悟に対して前向きな評価が目立ちます。
今回の改革において日産が特に強調しているのが、ガバナンス(企業統治)の健全化です。企業統治とは、会社が不正を行わず株主や社会のために正しい経営をしているかを監視する仕組みを指します。日産は社外取締役の割合を過半数まで引き上げ、2019年06月25日には経営の監督と執行を完全に分離する「指名委員会等設置会社」へと移行しました。役員の報酬や人事を独立した委員会が決定するこの新体制への移行は、透明性をアピールする上で極めて大きな一歩と言えます。
さらに、2019年12月01日に就任した内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)率いる新体制の求心力を高めるためにも、今回のOB一掃は不可避だったと考えられます。実は、2019年09月に辞任した西川広人前社長が、2020年02月18日開催の臨時株主総会で取締役を退任した後も社内に残る意向を示していたと囁かれていました。しかし、この顧問制度の廃止によって西川氏も完全に会社を去る見通しとなり、旧体制の影響力を完全に遮断する道筋が見えてきたのです。
一連の改革に対して私は、過去の負の遺産を断ち切るために不可欠な大手術であると確信しています。一方で、SNSには「制度を変えても組織の空気が変わらなければ意味がない」「新体制の手腕はこれからの業績回復で証明されるべきだ」という冷静な意見も少なくありません。形だけのガバナンス改革に終わらせず、内田新社長のもとでどれだけ迅速かつクリーンな意思決定ができるのか、新生・日産自動車が歩むこれからの真価が問われることになるでしょう。
コメント