新潟県が誇る夏の味覚「新潟すいか」のブランド力が、今、県外市場で大きく注目されています。新潟市や県内の農業協同組合(JA)が一体となり、この特産品の販路拡大に全力を注いでいる状況です。背景には、農家の高齢化による栽培面積の減少という課題がある一方で、近年続く猛暑の影響から、県産スイカへの需要は堅調に推移していることが挙げられます。そのため、単に美味しさをアピールするだけでなく、産地の安定的な生産体制を支えるための施策も同時に展開されているのです。
その熱意を示す象徴的な動きとして、2019年6月25日早朝、新潟市の中原八一市長が東京の大田市場でトップセールスを実施されました。これは「新潟市食と花の銘産品」の一つである新潟すいかを重点的にPRするもので、市長自ら青い法被を羽織り、市場関係者へ試食を呼びかけるという異例の力の入れようでした。産地が一丸となって頑張っている姿をアピールし、さらなる需要の喚起につなげたいという強い狙いがあることがうかがえます。
新潟すいかの最大の特徴は、水はけの良い砂丘地で栽培されることによる、強い甘みとシャリシャリとした独特の食感です。実際に試食した仲卸業者からも、「他産地のものより口当たりが良く、皮の際まで甘い」という高い評価を受けています。中原市長は市場関係者に対し、「新潟といえばコメの印象が強いが、青果にも力を入れている。多くの消費者に新潟のおいしいスイカを届けてほしい」と熱く訴えかけました。この市長の行動は、SNSでも「産地の顔が見えて安心」「新潟のスイカ、食べてみたい」と好意的な反響を集めています。
市場での手応えを受け、新潟市はさらに攻勢を強めます。2019年7月上旬には、関西圏の大阪や京都の百貨店でも試食イベントを開催する予定で、西日本での認知度向上と販路拡大を目指している模様です。JA全農にいがたによりますと、県産スイカの需要はここ数年、猛暑の影響で「安定して推移している」とのことです。つまり、市場には確かなニーズが存在するわけですが、農業経営における担い手不足は深刻な問題となっています。
生産基盤強化へ!栽培支援とノウハウ伝授の取り組み
スイカは栽培に手間がかかり、収穫時には重量もある作物です。そのため、農家の高齢化が進行する中で、新規の担い手を見つけにくいという課題に直面しています。2019年末時点での県内栽培面積は285ヘクタールと、5年前に比べ約1割も縮小する見通しとなっているのです。このままではせっかくのブランド力を活かせなくなってしまいますので、自治体とJAは連携して、安定的な生産を目指した対策を進めています。
例えば、新潟市では、スイカ栽培に不可欠なビニールハウスの設置費用を、最大25%補助する制度を導入し、生産者の初期投資負担の軽減を図っています。また、栽培のノウハウ(技術や経験)の伝授も重要です。新潟県南魚沼市のJAみなみ魚沼では、新たにスイカ栽培に取り組む生産者を支援するため、栽培指導員を派遣し、実践的な技術指導を提供しているのです。これは、栽培面積の維持だけでなく、品質の均一化にも役立つ重要な取り組みと言えるでしょう。
私見になりますが、こうした行政とJA、そして生産者が一丸となった取り組みは、まさに地域農業の未来を守るための模範的な行動だと感じます。需要があるにもかかわらず、供給が追いつかないという状況を打開するには、技術支援や経済的補助といった、実効性の高い支援策が不可欠です。新潟すいかの「甘さ」と「シャリシャリ感」という魅力的な品質を武器に、市場拡大と生産維持の両輪で、この素晴らしい特産品が日本全国で愛され続けることを期待しております。
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