【そば・うどん業界の風雲児】ゆで太郎社長が語る「低価格」と「健康志向」の戦略:顧客の日常食を守る熱い想い

そば・うどん店の「ゆで太郎」を展開する株式会社ゆで太郎システム(旧:信越食品)は、郊外の幹線道路沿いへの出店を加速させ、大きな注目を集めています。池田敬之社長は、現在の立地戦略について「最近は7割が郊外の幹線道路沿い」であると明かし、当初からこの場所での展開を志向していたと述べています。まず都市部で基盤を築いた後、千葉県市原市で郊外戦略を本格的にスタートさせたとのことです。社長自身が健康のために日常的に「そば」を食べたいと考えていたことが、この戦略の根底にあるようです。

池田社長は、従来のそば屋が高価で量が少ないことに着目し、「おいしいそばを安価に提供すれば必ず成功する」と確信していたと語ります。ゆで太郎では、そば粉を55%配合した本格的な「もり」そばを320円(税込)という驚きの低価格で提供しています。この価格設定は保守的ではないかと問われると、社長は値上げには非常に慎重な姿勢を示しました。2019年4月からの有給休暇取得義務化などで、人件費が年間で約5,000万円も膨らむ見込みであるにも関わらず、そのスタンスを崩していません。

消費者は高級レストランではレジャー感覚で支出を惜しまない一方、日常的に食べる食事の価格には非常に敏感である、というのが池田社長の分析です。ゆで太郎のライバルは、他のそば屋ではなく、むしろ「コンビニや牛丼屋」だと捉え、顧客の財布がそちらへ流れないよう、細心の注意を払っているのです。「お客様のわずかな反応も見逃さない」ことが、ゆで太郎の価格戦略の真髄だといえるでしょう。この姿勢は、日常食としてのそばの地位を確立し、多くの人々の健康的な食生活を支えたいという熱い想いからきているのだと私は考えます。

価格維持に努める一方で、池田社長は「野球のピッチャーのように、お客様に対して様々な球を投げている」と表現し、多角的な戦略を展開しています。例えば、2019年3月からは、丼とそばのセットメニュー3種を550円から500円に値下げする施策を実施しました。この値下げの結果、セットメニューを選ぶお客様が大幅に増加し、売上は3倍にも伸びたそうです。この成功により、お客様の客単価もわずかながら上昇したとのことで、緻密な価格設定とメニュー構成が功を奏しているのがわかります。

池田社長はかつて「ほっかほっか亭総本部」の出身であり、その経験が現在の経営にも活かされていると言います。設立から15年の会社でありながら、取引先が多い背景には、社長の昔からのネットワークがあるようです。ほっかほっか亭時代に「弁当は冷たいもの」という常識を打ち破り、ササニシキを使用して温かい弁当を提供したというエピソードは、「自分で食べたいものを自信を持って提供する」という、ゆで太郎の企業精神にも通じているのではないでしょうか。この「顧客目線」と「挑戦心」こそが、ゆで太郎の快進撃を支える柱であると確信しています。

このゆで太郎の低価格戦略と健康志向の組み合わせは、SNS上でも大きな反響を呼んでいるようです。「ゆで太郎は安くて旨い」「毎日でも食べられる価格帯」「この値段でそば粉55%は企業努力がすごい」といったポジティブな意見が多く見受けられ、日常食としての利用価値が広く認められていることがうかがえます。特に、都市部で働くビジネス層や、健康を意識し始めたシニア層からの支持が厚いようです。企業として人件費の増大という逆風がある中、安価で質の高い商品を提供し続けるゆで太郎の姿勢は、消費者にとって非常に魅力的だといえるでしょう。

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