岡山県井原市に拠点を置く第三セクターの井原鉄道が、力強い歩みを見せています。2019年11月27日に発表された2019年度上半期の利用実績によれば、岡山県の総社駅と広島県の神辺駅を結ぶ井原線の利用客数は59万5665人に達しました。これは前年の同時期と比較すると、26.1%という驚異的な伸び率を記録しており、地域住民からも安堵の声が上がっています。
第三セクターとは、国や地方自治体といった公的な機関と、民間企業が共同で出資して運営する事業形態を指します。地域交通の要として期待される井原鉄道ですが、2018年7月に発生した西日本豪雨では、信号設備が水没するなど甚大な被害に見舞われました。その結果、総社駅から三谷駅の間で約2ヶ月間にわたる運休を余儀なくされた苦い経験があります。
こうした苦境からの立て直しが順調に進んでいることは、数字にも如実に表れているでしょう。旅客運輸収入も前年同期比で24.8%増となる1億5900万円を計上しました。SNS上では「井原線が元気になって嬉しい」「復旧に関わった方々に感謝したい」といった温かい応援コメントが相次いでおり、鉄道が単なる移動手段を超えて、地域の絆を象徴する存在であることを再認識させてくれます。
被災前の2017年度と比較すると、利用客数は1.4%減、収入は0.3%減とわずかに届かないものの、藤本悌弘社長は回復の手応えを感じているようです。同氏は「全体として順調に回復しつつある」と強調し、さらなる飛躍を見据えています。豪雨という未曾有の災害を乗り越え、かつての賑わいを取り戻す日は、すぐそこまで来ていると言えるのではないでしょうか。
今後はさらなる広域からの集客を目指し、インターネットを活用した攻めの姿勢に転じる方針です。具体的にはホームページの刷新やSNSでの積極的な情報発信を通じて、沿線の魅力を全国へ届ける取り組みを強化していきます。利便性の向上だけでなく、鉄道のファンを増やすための戦略が、これからの井原鉄道をより魅力的なものに変えていくはずです。
私個人としては、災害という逆境をバネにして立ち上がる鉄道会社の姿に、深い感銘を覚えずにはいられません。人口減少が進む地方において、第三セクターがこれほどまでの回復を見せることは、他の路線にとっても大きな希望となるでしょう。これからも地域の笑顔を乗せて走り続ける井原鉄道を、私たちは全力で応援していきたいものです。
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