2019年12月10日、日本経済新聞社が発表した冬のボーナス調査の結果は、驚きと希望を感じさせるものでした。特に注目すべきは、従業員300人未満の中小企業の勢いです。全産業の平均が前年比で微減するなか、中小企業の1人あたり支給額は67万2536円に達し、前年比3.39%増と力強い伸びを見せています。
特筆すべきは、この増加傾向が2013年から数えて7年連続であるという事実でしょう。大手企業に比べて人手不足がより深刻な課題となっている現場では、優秀な人材を確保し、つなぎ止めるために、企業側が必死に待遇改善を図っている姿が浮き彫りになりました。SNS上でも「中小の頑張りがすごい」「人材流出を防ぐには給与で示すしかない」といった共感の声が広がっています。
不動産・住宅セクターが上位を独占!躍進するトーセイの戦略
今回のランキングで首位に輝いたのは、不動産流動化事業を展開するトーセイです。2019年冬の支給額は前年比1.11%増の189万9678円という、驚異的な数字を記録しました。不動産流動化とは、土地や建物といった資産を証券化したり売却しやすくしたりすることで、新たな投資を呼び込むビジネスモデルを指します。
同社は物件の利益率が予想を上回り、2019年11月期の連結純利益を84億円へと上方修正しました。このように好調な年間業績を冬のボーナスへダイレクトに反映させる仕組みが、社員のモチベーションを最高潮に高めているのでしょう。また、3位のエー・ディー・ワークスや5位のフォーライフなど、上位には不動産・住宅関連の企業が目立っています。
減益でも維持する「覚悟」と、絶好調ワークマンの快進撃
2位の日本伸銅は、銅の価格下落により2020年3月期が減益予想であるにもかかわらず、前年と同額の110万円を維持しました。こうした「減益でも支給水準を守る」姿勢は、社員への信頼の証といえます。一方、10位には「#ワークマン女子」などの言葉でSNSを席巻しているワークマンがランクインしました。
アウトドア特化型店舗の成功により、支給額は前年比7.32%増の90万2757円となっています。また16位の東映は、若手社員の増加で平均額こそ微減しましたが、2019年4月から9月期の売上高は前年同期比17%増と極めて好調です。人手不足という逆風を、手厚い報酬という追い風に変えようとする各社の攻めの姿勢は、これからの日本経済に不可欠なものとなるでしょう。
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