ゴミ処理の未来を創る!タクマ南條博昭社長が挑む「売り切り」からの脱却と環境ビジネスの最前線

環境問題への意識が世界中で高まる中、ゴミ処理プラントやバイオマス発電の分野で大きな注目を集める企業があります。それが、環境・エネルギーの専業会社として業界をリードする株式会社タクマです。2019年4月に同社のトップに就任した南條博昭社長は、従来のビジネスモデルを大きく変革しようと舵を切っています。ネット上でも「地球の未来を支えるインフラ企業として期待大」「これからの時代に不可欠なビジネス」と、多くの共感と応援の声が寄せられているようです。

南條社長のキャリアの原点は、学生時代にさかのぼります。もともと機械が大好きな少年だった彼は、姫路工業大学(現在の兵庫県立大学)に在籍していた頃、タクマの播磨工場を見学しました。そこで目にしたのは、少人数ながらも上司と部下が壁をなくして和気あいあいに議論を交わす、温かい社風でした。この光景に深く心を動かされたことが、入社を決意する最大のきっかけになったと爽やかに語ります。当時の温かい記憶が、現在のオープンな経営スタイルの土台になっているのでしょう。

入社後にボイラーの設計業務に携わった南條社長は、自分の描いた図面が実際の巨大な設備として形になっていく過程に、ものづくりの深い感動を覚えたそうです。プラントと呼ばれる大型の生産設備は、無数の小さな部品が組み合わさって成立しています。そのため、たった一つの部品が故障しただけでもシステム全体が停止してしまうリスクを孕んでいるのです。「質の高いものづくりこそが自社製品の命である」という現場発進の強い信念は、今でも彼の経営哲学の中心に据えられています。

そんな南條社長のブレイクスルーとなったのが、1990年代後半に台湾の高雄市で臨んだゴミ処理プラントの建設プロジェクトでした。現地企業との共同作業は、言葉の壁だけでなく文化や習慣の違いから、当初は激しい意見の対立が日常茶飯事だったといいます。そこで彼は、机の上の契約書を突き合わせるのをやめ、相手の担当者と直接顔を合わせて本音で語り合う場を設けました。お互いのこだわりを泥臭く理解し合うことで信頼が芽生え、結果として予定の工期を大幅に短縮して納品することに成功したのです。

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「売り切り」からの脱却!ソリューションラボがもたらす安定経営のシナジー

2016年に500人以上の技術者を統括する立場になってからも、南條社長は「対話による相互理解」を最も大切にしてきました。そして社長となった今、タクマはさらなる飛躍を目指しています。2021年3月期までの3カ年計画において、経常利益計330億円という高い目標を掲げました。2019年9月の時点で達成率はすでに約5割に達しており、極めて順調な足取りを見せています。やみくもに新規事業へ手を広げるのではなく、強みである環境分野に資源を集中させる選択と集中が功を奏している形です。

さらに注目すべきは、これまでのプラントを建設して終わりという「売り切りモデル」からの脱却を宣言している点でしょう。収益を長期的に安定させるため、運営やメンテナンスといったアフターサービスの質を徹底的に高める戦略を進めています。その象徴として、2019年7月には全国のプラントを24時間体制で遠隔監視する拠点「ソリューションラボ」を兵庫県尼崎市の本社に新設しました。最新のデジタル技術を駆使し、トラブルを未然に防ぐ体制を整えています。

また、2022年12月を目処に、顧客に代わって重要な交換部品をあらかじめ備蓄しておくという画期的な新サービスも開始する予定です。こうしたきめ細やかなサポート体制は、産業廃棄物処理を専門としながらも発電ノウハウを持たない企業からの強い支持を集めています。バイオマス発電と呼ばれる、生物資源を燃料とした地球に優しいクリーンエネルギーへの需要は今後も確実に高まるため、同社が果たすべき伴走者としての役割はますます大きくなっていくでしょう。

激務をこなす南條社長ですが、プライベートでは2〜3カ月に一度、妻と一緒に神戸の美術館を巡るのが何よりの息抜きだそうです。専門的な知識はなくても、マネをはじめとする印象派の絵画を眺めながら、作品に込められたテーマを静かに想像する時間が、仕事のプレッシャーを忘れさせてくれます。また、自宅近くの海辺の遊歩道を1時間半ほど散歩することも、心を落ち着かせ、新しい経営のアイデアを巡らせる大切なリフレッシュタイムになっていると笑顔を見せます。

筆者は、南條社長の「対話を重んじる姿勢」と「売り切りからの脱却」という戦略に、これからの日本のインフラ企業が生き残るための明確な正解を見ました。これまでの日本企業は優れた製品を作ることに長けていましたが、その後の維持管理ビジネスへの転換が遅れるケースが散見されました。タクマのように、IoTを活用した遠隔監視や部品備蓄で顧客の不安を解消するビジネスモデルは、持続可能な社会の実現に不可欠です。彼の温かい人間性と革新的な手腕が、同社をさらに高みへ導くでしょう。

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