逗子市の斜面崩落事故、市が民有地の応急工事を異例の代行へ!市民の足を守る決断と今後の課題

2020年2月5日に神奈川県逗子市で発生した斜面崩落事故は、通行中だった女子高校生の命が奪われるという、非常に痛ましく悲しい結果をもたらしました。事故から1週間以上が経過した2020年2月13日、逗子市は崩落した斜面の応急工事を市が肩代わりして実施する方針を明らかにしています。崩れた土地そのものは私有地、いわゆる民有地ですが、住民の安全確保と日常生活の早期回復を目指し、行政が異例のスピードで動いた格好です。

今回の事故現場は市道に面しており、崩落の影響によって現在も一部の道路が通行止めを余儀なくされています。その結果、地域住民の大切な移動手段である路線バスが迂回運行を続けており、生活への影響が深刻化していました。こうした公共交通の乱れや二次災害の危険性を一刻も早く解消するため、逗子市は本来の土地所有者に代わって緊急措置を講じる決断を下したのです。市民の安全を最優先に考えたこの迅速な対応は、評価されるべきでしょう。

崩落した斜面は、市道沿いに佇むマンションの敷地内であることが判明しています。通常、民有地でこうした事態が起きた場合、マンションの管理組合をはじめとする所有者たちが話し合い、合意を形成した上で復旧工事を進めるのが一般的なルールです。しかし、複数の区分所有者が関わる管理組合での意思決定には、どうしても多大な時間がかかってしまいます。それを待っていては、さらなる被害拡大や交通の麻痺を防ぐことは困難と言わざるを得ません。

そこで逗子市は、具体的な工法の検討に入り、早ければ2020年2月末から2020年3月ごろの着工を目指すと発表しました。この対応に対し、SNS上では「通学路の安全を早く確保してほしい」「行政の素早い決断はありがたい」といった安堵の声が上がっています。その一方で、「民有地の復旧に公金を投入する妥当性はどうなるのか」「今後の費用請求はどう進めるべきか」など、法的・財政的な課題を懸念するシビアな意見も散見されました。

ここで注目したいのが、行政が私有地に対して行う「行政代執行(ぎょうせいだいしっこう)」という仕組みです。これは、本来は義務を負うべき義務者がそれを履行しない、あるいは履行を待つ余裕がない場合に、行政が代わりに執行して後から費用を請求する手続きを指します。今回のケースは、まさに一刻を争う緊急事態であり、公共の福祉を守るためにこの手法の考え方が応用されたと言えます。前例に捉われない柔軟なリスク管理の一環ですね。

筆者の視点として、今回の逗子市の決断は、人命と都市インフラを守る上で極めて妥当な判断であったと考えます。しかし、日本全国には同様に土砂災害の危険をはらんだ民有地の斜面が無数に存在しているのが現状です。今回の事例を単なる特殊なケースとして終わらせるのではなく、全国の自治体が私有地の危険箇所に対してどこまで介入できるか、そして費用負担をどう適正化していくかという、法整備やガイドラインの構築を急ぐきっかけにするべきでしょう。

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