フリマアプリの雄である株式会社メルカリが、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」への真摯な取り組みを加速させています。これは、人材の多様性を意味するダイバーシティと、すべての人を受け入れ、活かすことを意味するインクルージョンを組み合わせた言葉です。同社は、2019年5月30日に開催された説明会で、この理念を具現化した新しいオフィスフロアを公開しました。特に注目を集めているのが、イスラム教徒のムスリムの方などが利用できる礼拝室を兼ねた多目的室の設置です。この斬新な試みは、SNSでも「先進的」「さすがメルカリ」といった好意的な反響を呼んでいるようですね。
メルカリのサービスが飛躍的に拡大するにつれて、同社で働く人々の構成も国際色豊かに変化してまいりました。現在、メルカリのエンジニアのうち、実に約30%が外国籍の社員で占められています。これは、世界中から優秀な人材を集める同社のグローバル戦略の成果といえるでしょう。現在、およそ40カ国の出身者が在籍しているという事実が、メルカリの多様性のレベルを物語っています。こうした多様なメンバーが、それぞれの文化や信条を尊重されながら、最大限のパフォーマンスを発揮できるような環境づくりが急務となっているのです。
多様性推進を担う専門部署「D&Iチーム」の役割
同社では、2017年頃から、社員が自発的に多様性に関する社内活動をスタートさせていましたが、海外からの人材が本格的に増加した2019年からは、この活動をさらに加速させるべく、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)チーム」を専門部署として正式に立ち上げました。このD&Iチームは、現時点では2名体制ですが、グローバル化推進を担う約30名のチーム内に組み込まれており、社内の誰もが隔たりなく快適に働けるための施策を推進しています。礼拝室の設置も、このチームが主導した具体的な取り組みの一つに他なりません。
私がコラムニストとして見るところ、これは単なる福利厚生の充実という次元を超えた、極めて戦略的な経営判断だと評価できます。働く環境が整備されることで、多様なバックグラウンドを持つ社員一人ひとりが、自身の個性を活かしながら最大限に能力を発揮できるようになるでしょう。これは、結果としてイノベーションを生み出し、企業の競争力を高める源泉となるはずです。外国人エンジニアの比率が高いメルカリにとって、宗教的・文化的な背景に配慮した環境提供は、優秀なグローバル人材を確保し続けるための重要な採用戦略でもあるといえるでしょう。
メルカリの今回の取り組みは、日本企業におけるD&I推進の新たなベンチマークを提示したといえます。国籍や信条が異なる人々が共に働くことが当たり前になりつつある現代において、企業がどこまで社員の多様性を受け入れ、配慮できるかが問われています。メルカリが2019年5月30日に公開した多目的室のように、それぞれの社員が自分らしくいられる場所を提供することは、真の意味で「開かれた組織」を築く一歩になるでしょう。
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