【ESG投資】米IT大手に迫る変革の波!投資家が突きつける「社会責任」という名の新基準

2019年も終わりを迎えようとしていますが、世界の投資家たちの視線は今、シリコンバレーの巨人たちへと鋭く注がれています。きっかけとなったのは、2019年03月15日にニュージーランドで発生した悲惨な銃乱射事件でした。この事件の動画がSNS上で拡散されたことを受け、同国の公定年金基金が立ち上がり、不適切なコンテンツの排除を求めて世界の投資家に共闘を呼びかけたのです。

この動きには、英アビバやHSBC、さらには日本の野村ホールディングスなど、運用資産の合計が約1400兆円にも達する約100社の機関投資家が賛同しました。SNSのプラットフォームを運営する米IT大手3社は対応を約束したものの、過激なコンテンツの拡散には歯止めがかかっていないのが現状です。ネット上では「企業の利益優先が悲劇を助長しているのではないか」といった厳しい声が相次いでいます。

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IT業界を揺るがす「ESG投資」の新たな潮流

今、金融界で最も注目されているのが「ESG投資」です。これは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの要素を重視して投資先を選ぶ手法を指します。かつてこの圧力は石油やガス業界に向いていましたが、現在はIT業界へとターゲットが移っています。テクノロジーが監視社会に利用される懸念や、個人情報の保護といった現代的な課題が、投資家にとって無視できないリスクとなっているのです。

例えば米アップルは、香港のデモに関連して中国政府から批判を受けたアプリの配信を停止しました。これに対し、「表現の自由を守るべきだ」と主張する株主たちが、次の株主総会で正面から対峙する構えを見せています。また、IT機器に不可欠なコバルトの採掘現場における児童労働の問題も浮上しており、国際的なサプライチェーン(製品が消費者に届くまでの供給網)全体での人権意識が厳しく問われています。

こうした動きは、企業の外部からだけではありません。2019年09月20日には、アマゾンの従業員1500人以上が環境対策を求めてストライキを決行しました。グーグルでも社内から抗議の声が上がっており、経営陣はかつてない板挟みの状態にあります。私は、IT企業が掲げる「革新」が、今こそ技術的なものから、社会的な責任を果たすという本質的な改革へと進化すべき局面に来ていると確信しています。

巨大な資金力を持ち、創業者による支配権が強いIT大手にとって、投資家からの揺さぶりは即座に経営を覆すものではないかもしれません。しかし、こうした声が規制当局や消費者の行動を促す着火剤となることは間違いありません。あまりに長く放置されてきた負の側面に、企業がどう向き合うのか。2020年は、彼らにとって真の価値が試される「覚悟の年」になることでしょう。

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