財政危機の相模原市が下した決断――新規事業凍結で挑む構造改革の行方

かつて「小粒ながらも堅実で健全な財政運営」を誇りとしていた相模原市が、今、大きな岐路に立たされています。2020年1月21日現在、市は急速に悪化が見込まれる財政状況を立て直すべく、2020年度予算において新規・拡充事業を原則凍結するという、極めて重い決断を下しました。一体、何が起きているのでしょうか。

事の発端は、2019年11月に開催された市議会での本村賢太郎市長による切実な訴えです。市が策定した「長期財政収支」によれば、何ら対策を講じなければ、2025年度には100億円もの歳出超過に陥る危険性が浮き彫りとなりました。2019年度の予算から2025年度までに、支出が約8%も膨らむという衝撃的な試算です。

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なぜ今、財政が悪化しているのか

財政を圧迫する最大の要因は、福祉関連の扶助費増加と、公共施設の老朽化に伴う改修費用です。「扶助費」とは、生活保護費や医療費助成など、国や地方自治体が住民の生活を支えるために支出する経費のことです。高齢化が進む中で、この社会保障費が重くのしかかっています。

さらに深刻なのが、1980年代に建設された学校や公民館など、1400棟を超える公共施設の老朽化です。今後、これらの改修費は右肩上がりに増え、2027年度には年間245億円が必要になると見込まれています。これに加え、2010年の政令指定都市移行に伴う周辺4町との合併による行政コストの増大も、じわりと影を落としています。

挑戦の年、市長が選んだ茨の道

この財政危機に直面した本村市長は、2019年最後の記者会見で、自身の1年を表す漢字として「挑」の字を挙げました。2019年の市長選で掲げた100以上の公約を、就任早々に凍結せざるを得ない現実は、決して平坦な道ではないでしょう。

市民の間でもSNS上では、「街の未来のためには避けて通れない苦渋の決断」「公約撤回は厳しいが、放置して破綻するよりは誠実」といった理解を示す声がある一方で、「敬老パス導入を楽しみにしていたのに残念」「サービス低下が心配」といった不安の声も渦巻いています。

私個人としては、今回の改革プランは「今、痛みを伴ってでも将来の安心を買う」ための不可欠な手段だと考えます。リニア中央新幹線の駅設置といった期待される将来投資を残しつつ、祭りや外部委託費用まで細かく見直す姿勢は、まさに不退転の決意を感じさせます。2020年度、相模原市には挑戦だけでなく、目に見える結果が求められています。

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