EV時代に日本の生命線をどう守る?レアアース対中依存の現状とハイテク産業の未来

私たちの生活に欠かせないスマートフォンや最先端の電気自動車(EV)には、目に見えないところで世界を動かす重要な鍵が隠されています。それが「レアアース(希土類)」と呼ばれる、わずかな量でも製品の性能を飛躍的に高める17種類の貴重な金属元素です。現在、この素材を巡る世界の覇権争いが激化しており、日本のものづくり産業もその渦中に置かれています。埋蔵量ベースで世界の約37%を握る中国が圧倒的な市場支配力を持っているため、日本をはじめとする各国は調達先の確保に頭を悩ませているのが現状です。

かつて2010年に尖閣諸島を巡る問題で日中関係が緊迫した際、中国からの輸出が制限され、日本の製造業は大きな衝撃を受けました。これを機に、国内の企業や研究機関は使用量を極限まで減らす技術や、代替素材の開発に全力を注いできた経緯があります。その懸命な努力が実を結び、一時は約9割に達していた中国への依存度は約6割にまで低下しました。しかし、今なお完全な脱却には至っておらず、特にモーターの耐熱性を高める「重希土類」のジスプロシウムなどは、依然として中国からの供給に頼り切っているのが実態です。

SNS上では「EVシフトが進む中で、特定の国に資源を握られているのはリスクが高すぎる」「日本の優れた節減技術をさらに伸ばしてほしい」といった、危機感と期待が入り混じった声が数多く寄せられています。現在も米中の貿易交渉が予断を許さない状況が続くなか、2019年5月には中国の国家発展改革委員会が、レアアースを米国への対抗手段として示唆しました。これに対して米国側も、ミサイルやレーダーといった国防兵器の製造に不可欠なこの資源の供給網を根本から見直す動きを加速させており、まさに世界規模の資源戦争が勃発しています。

私たちは、こうした資源の偏りがもたらす地政学的リスクを単なるニュースとして見過ごすべきではありません。レアアースは現代のハイテク社会における「ビタミン」のような存在であり、その安定確保は国家の安全保障そのものに直結しています。技術大国と呼ばれる日本が今後も世界をリードし続けるためには、民間企業の努力だけに頼るのではなく、政府が外交や資金面でより強力なバックアップを行うべきでしょう。日米などの政府による支援強化が、次世代の産業を守る強固な盾になることを切に願っています。

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