私たちの暮らしを支えるスマートフォンや電気自動車、そして次世代のエネルギー源である燃料電池。これらに欠かせない「レアアース(希土類)」を、日本の海から効率よく掘り当てる画期的な技術が誕生しました。2019年11月18日、東京大学の中村謙太郎准教授らの研究グループが、超音波を駆使して海底下の有望な区域を特定する手法を開発したと発表し、大きな注目を集めています。
レアアースとは、ネオジムやジスプロシウムなど17種類の元素の総称です。これらは「産業のビタミン」とも呼ばれ、わずかな量で製品の性能を飛躍的に高める魔法のような存在なのです。現在、その生産は特定の国に大きく依存しており、資源の安定確保は日本にとって長年の課題でした。それだけに、今回の発表はまさに国家レベルの朗報といえるでしょう。
SNS上では「ついに日本が資源大国になる日が来たのか」「東大の研究チームが素晴らしい成果を上げてくれた」といった期待に満ちた声が溢れています。これまで、海底にある資源を探し出すには、実際にドリルで穴を開けるボーリング調査が不可欠でした。しかし、この方法では調査に1、2カ月もの膨大な時間と多額の費用がかかることが大きな障壁となっていたのです。
超音波が暴く海底の秘密!探査コストと時間を劇的にカット
今回開発された新技術は、探査船から海底へ向けて放たれる「超音波」の反射波を分析するというものです。これは魚群探知機のように音の跳ね返りを利用して、海底の下に眠る高濃度のレアアース層を見極める仕組みとなっています。この技術を導入することで、これまで数カ月を要していた作業がわずか数日に短縮されるというから驚きを隠せません。
2018年に行われた加藤泰浩教授らの調査では、南鳥島周辺の海底に世界消費量の数百年分に相当する約1600万トンものレアアースが眠っていることが判明しました。今回の手法は、その中から特に採取しやすい「海底下5メートル以内」にある層をピンポイントで特定できます。厚い堆積物に阻まれていない場所を見つければ、採掘効率は飛躍的に向上するはずです。
私は、この技術こそが日本のエネルギー自給率を押し上げる鍵になると確信しています。現在は船からの探査ですが、将来的には自律型無人潜水機(AUV)を投入し、より海底に近い場所で音を発することで、10メートル四方という極めて高い精度での特定を目指しています。資源を「持っている」段階から「賢く手に入れる」段階へ、日本の科学技術は確実に進化を遂げているのです。
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