2019年12月13日、中国の金融大手である中国平安保険の傘下から誕生した「ワンコネクト・ファイナンシャル・テクノロジー」が、ついにニューヨーク証券取引所への上場を果たしました。取引開始直後の初値は10.5ドルを記録し、公開価格である10ドルをわずかに上回る形でのスタートとなっています。同社はソフトバンクグループが運営する「ビジョン・ファンド」からも多額の出資を受けており、投資家たちの間でも高い注目を集めていました。
今回上場したワンコネクトは、いわゆる「フィンテック」と呼ばれる分野の急先鋒です。これは「金融(Finance)」と「技術(Technology)」を掛け合わせた造語で、ITを駆使してこれまでにない革新的な金融サービスを生み出す動きを指します。同社は銀行や保険会社に対し、クラウドを通じて最先端のシステム基盤を提供するビジネスモデルを展開しており、その技術力は業界内でも一目置かれる存在だと言えるでしょう。
しかし、華々しいデビューの裏側では、厳しい現実も浮き彫りになりました。実は上場直前のタイミングで、投資家の需要が想定を下回ったことから、売り出し価格の引き下げを余儀なくされたのです。その結果、市場が評価する企業の総価値を示す「時価総額」は、当初目指していた水準からほぼ半分にまで落ち込んでしまいました。SNS上では「ソフトバンク案件への警戒感が強まっているのではないか」といった厳しい意見も散見されます。
新興ハイテク企業への視線と今後の展望
私個人の見解としては、今回の事態は単なる一企業の不振ではなく、ユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上の未上場企業)バブルに対する市場の「冷静な審判」であると感じます。赤字を出しながらも成長性だけで巨額の資金を集める手法が、以前ほど通用しなくなっているのでしょう。投資家たちは今、企業のビジョンだけでなく、実際に利益を生み出す「稼ぐ力」をよりシビアに見極めようとしているのではないでしょうか。
ワンコネクトにとって2019年12月13日は、ゴールではなく新たな試練の始まりの日となりました。時価総額が半減したという事実は重いものですが、提供している金融プラットフォームの価値が変わったわけではありません。今後、ソフトバンクの支援を受けながら、どのように収益性を改善し、市場の信頼を取り戻していくのかが大きな鍵となります。アジア発のフィンテック企業が米国市場で真の評価を得られるか、その行方から目が離せません。
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