企業の成長を支える人材戦略として、近年多くの企業が「タレントマネジメント」に注目しています。これは従業員が持つスキルや経歴、ポテンシャルといった情報を一元管理し、最適な配置や育成に活かす仕組みのことです。2020年01月30日、パーソル総合研究所の部長である宮腰康弘氏が、このシステム構築における評価基準について非常に興味深い視点を提示されました。
一般的に、新しいITシステムを導入する際の成否は、主に3つの指標で評価されることがほとんどです。具体的には、あらかじめ求められていた「品質」を満たしているか、想定された「予算」の範囲内に収まっているか、そして予定通りの「納期」に間に合ったかという点です。これらは成果が目に見えやすいため、プロジェクトの良し悪しを測る物差しとして長年重宝されてきました。
SNS上でもこのテーマは関心を集めており、「予算や納期を守るだけのシステム投資になりがち」「形だけの導入で終わるのが一番怖い」といった、実務担当者からのリアルな声が多数寄せられています。確かに、どれほどスケジュールやコストが完璧であっても、現場で使われなければ意味がありません。単なる費用対効果の数値だけでは測れない難しさが、ここには潜んでいるのではないでしょうか。
私は、タレントマネジメントの本質とはシステムを構築すること自体ではなく、それを使って「組織と人をどう変革するか」にあると考えています。型通りの評価基準を満たすだけでなく、経営戦略と連動した人材の活躍が生まれてこそ、本当の成功と言えるでしょう。これからの時代は、数字に表れにくい「定性的な価値」を見極める企業の姿勢が、競合他社との決定的な差を生み出すはずです。
コメント