2019年ユニコーン企業の凋落?IPO市場の転換点と投資家が突きつける「収益性」の真実

2019年12月30日現在、世界のスタートアップ界隈を揺るがす大きな地殻変動が起きています。これまで「ユニコーン」と呼ばれ、10億ドル以上の企業価値を誇る未上場企業は、投資家にとって羨望の的でした。しかし、今年に入りその熱狂は冷め、新規株式公開(IPO)を巡る環境はかつてない転換点を迎えているのです。

かつては赤字を垂れ流してでもシェアを拡大する「成長第一主義」が称賛されました。ところが、いざ上場の舞台に立つと、市場はその実態を冷静に見極めるようになっています。SNS上でも「いつまで赤字を続けるのか」「実体のない期待感だけで株価が膨らみすぎている」といった、企業の収益力を疑問視する声が目立つようになりました。

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期待の星「ウーバー」の苦戦と市場の冷え込み

2019年5月10日にニューヨーク証券取引所へ華々しく上場したウーバー・テクノロジーズは、まさに今年の象徴と言えるでしょう。時価総額は約820億ドルという巨額に達しましたが、当初期待されていた1000億ドルの大台には届きませんでした。ドライバーへの報酬負担が重く、赤字から抜け出せない体質が露呈したことが、投資家を失望させた要因です。

ウーバーだけではありません。ライドシェアのライバルであるリフトや、ビジネスチャットのスラックなども、現在は初値を大きく下回って推移しています。上場時の勢いを測る指標である「初値騰落率」を見ても、2019年7月から9月期の日米欧平均は15%にまで低下しました。これは約5年ぶりの低水準であり、新興企業への過度な期待が消えつつある証拠です。

ガバナンス欠如が招いたウィーワークの悲劇

さらに、シェアオフィス大手の「ウィーワーク」を運営するウィーカンパニーの上場延期は、市場に冷や水を浴びせました。2019年9月に予定されていた上場が頓挫した背景には、膨らみ続ける赤字に加え、創業者の私物化とも取れる異常な議決権構造がありました。ガバナンス、つまり企業が健全に運営されるための管理体制の欠如が、投資家の強い反発を招いたのです。

このユニコーン企業のつまずきは、彼らに巨額の資金を投じてきた日本企業にも深刻な影を落としています。ソフトバンクグループは、ウィーカンパニー関連の投資損失により、2019年7月〜9月期決算で7000億円を超える巨額赤字を計上しました。楽天もまた、リフトへの投資で多額の損失を出すなど、これまでの投資戦略が大きな壁にぶつかっています。

ネットビジネス界では「勝者総取り」が定石とされ、資金力に任せた規模拡大が正義とされてきました。しかし、もはや「カネ余り」の時代に甘んじることは許されません。個人的な見解としては、これこそが健全な市場の浄化作用だと感じます。今後は、華やかなビジョンだけでなく、着実に利益を出す「ビジネスモデルの質」が、より厳格に問われる時代になるでしょう。

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