2020年2月4日、中部経済界に大きなニュースが飛び込んできました。中部経済連合会(中経連)の次期会長に、水野氏が内定したのです。これまで4年間、異例の改革を断行し、地域経済を力強く牽引してきた豊田鐵郎氏からバトンが受け継がれます。豊田氏は就任当初から「スピード」と「行動」を掲げ、停滞しがちな経済団体に新風を巻き起こしました。その手腕を惜しむ声と、次代への期待が今、各地で交錯しています。
この4年間、SNS上でも中経連の変化は大きな注目を集めてきました。「豊田氏のリーダーシップで地域が動いた」「地味な団体というイメージが覆った」といった好意的なコメントが多く見られます。特に、2019年夏に名古屋市栄地区に誕生した「ナゴヤイノベーターズガレージ」は、スタートアップ(新たなビジネスで急成長を目指す企業)や起業家が集う熱狂の場として、デジタル世代の若手ビジネスパーソンからも高く評価されています。人工知能や自動運転をテーマにしたイベントは既に240回を数え、1万2000人もの人々がこの場所で化学反応を起こしているのです。
組織改革と「観光」という新たな視点
豊田体制の象徴とも言えるのが、大胆な組織のダイエットです。2017年春、なんと18あった委員会を12にまで絞り込み、代わりに「イノベーション」と「地域産業活性化」の専門委員会を新設しました。「成果の見えない会議は不要」という氏の言葉は、形式主義に陥りがちな経済団体に警鐘を鳴らすものでした。私個人としても、この潔い判断こそが、形骸化を避け、時代に対応するための必須条件だったと感じています。
さらに、観光産業の強化にも尽力しました。自治体や企業をまとめ上げ、「中央日本総合観光機構(中央日本DMO)」を立ち上げたのです。ここで言うDMOとは、データに基づいた観光戦略を立て、地域ブランドを構築する法人のこと。特筆すべきは、英国人のCOOを招聘した点でしょう。「観光には外国人の視点が不可欠」と断言する豊田氏のグローバルな感性は、閉鎖的になりがちな地方の経済構造に、一石を投じる結果となりました。
未来を見据えた提言と次なる挑戦
インフラの整備に関しても、南海トラフ地震への備えを盛り込んだ「国土強靱化税制」の創設を政府へ強く訴えるなど、約30もの政策提言を行ってきました。特に2019年3月に発表した「中部圏の将来ビジョン」は、50年先を見据え、デジタル化と人材育成の重要性を説いた記念碑的な計画です。危機感を持って行動せよ――。このメッセージは、これからの時代、変化を恐れず挑み続ける全ての人へのエールのように響きます。
次期体制を迎えるにあたり、私たち一人ひとりも「豊田イズム」をどう継承し、進化させるか問われているのではないでしょうか。中部経済の強みを再定義し、さらに洗練させるための挑戦は、まだまだ道半ばです。水野氏のもと、どのような新風が吹き込まれるのか、期待は高まるばかりです。
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