日本のモノづくりを支える中京圏において、ひときわ存在感を放つ「森村グループ」。その一角を担う日本ガイシがいま、大きな転換期を迎えています。2019年11月15日現在、自動車業界を席巻する「CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)」という荒波に対し、同社の大島卓社長は極めて攻めの姿勢を鮮明にされているのです。
かつて主力だった電力インフラ用部品「がいし」は、最盛期の5分の1まで需要が縮小しました。これを受け大島社長は、汎用製品からの撤退も視野に入れた「身の丈経営」へのシフトを断言されています。SNS上では「伝統のがいしから脱却できるのか?」といった懸念の声も一部で見られますが、現場の決意は驚くほど前向きであると感じます。
世界を驚かせる薄型電池「エナセラ」の衝撃
注目すべきは、2019年4月より量産が開始された超薄型セラミックス二次電池「EnerCera(エナセラ)」でしょう。これは、同社が長年培ったセラミックス技術を結集し、高耐熱性と大電流を実現した画期的なデバイスです。カード型デバイスへの内蔵が期待されており、まさに次世代のIoT社会を支える「心臓部」としての期待が高まっています。
この新製品を含め、日本ガイシは2025年3月期までに売上高150億円を目指すという具体的な数字を掲げました。大島社長が提唱する「新製品比率30%維持」という目標は、停滞を許さない強い意志の表れです。単なる伝統企業に甘んじることなく、常に新しい収益の柱を立て続ける姿勢は、投資家からも大きな信頼を勝ち取るに違いありません。
5G時代の追い風を受ける多治見工場の稼働
もう一つの成長エンジンが、岐阜県多治見市で稼働を始めた新工場です。ここでは、半導体製造装置に不可欠な「サセプター(加熱台)」が製造されています。サセプターとは、半導体の基板を支えながら精密な温度管理を行うセラミックス製の部品のことです。今後の「5G」普及に伴い、半導体需要が世界的に急増するのは火を見るよりも明らかでしょう。
大島社長は、工場の敷地内にさらなる増設余地を残しており、需要に応じた迅速な投資判断を下す構えです。私個人の見解としては、この柔軟性こそが同社の真の強みだと確信しています。市場の波を敏感に察知し、確実な技術力でその波に乗る。そんな「技術の日本ガイシ」が、令和という新時代にどのような驚きを届けてくれるのか目が離せません。
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