【シリコンバレー発】米国の半導体大手、マイクロン・テクノロジー社が、中国の通信機器最大手である華為技術(ファーウェイ)社への製品出荷を一部再開したことが、2019年6月25日に明らかになりました。この事態は、米中間の貿易摩擦が激化する中で、世界のハイテク産業界に大きな波紋を広げています。マイクロン社のサンジェイ・メロートラ最高経営責任者(CEO)が、2019年3月~5月期の決算説明会で直接説明した内容です。
メロートラCEOによると、米国政府が5月にファーウェイ社を輸出規制リスト、いわゆるエンティティ・リストに加えた直後、同社への製品出荷を一時停止していました。このリストは、米国の国家安全保障や外交政策上の利益に反すると見なされる外国企業を対象に、米国製品や技術の輸出を原則禁じるものです。しかし、マイクロン社はこの禁輸措置について詳細に調査した結果、「一部の製品については、この輸出規制に抵触しない」と判断し、すでに2週間ほど前から出荷を再開しているということです。
再開された製品の具体的な品目は公表されていませんが、米国の有力紙であるニューヨーク・タイムズの電子版が同日報じたところによれば、米国以外の国で製造された半導体製品が、出荷再開の動きの中心にあると見られています。この動きは、米国の規制が及ぶ範囲を巧みに回避しつつ、世界的なサプライチェーンの維持を図ろうとする企業の現実的な対応を示唆していると言えるでしょう。このニュースに対するSNSでの反響は非常に大きく、「さすがグローバル企業」「規制の抜け道を探る動きは当然」「米中対立の緩和につながるか」といった、様々な期待や驚きの声が飛び交っています。
マイクロン社が今回の一部出荷再開に踏み切った背景には、業績への影響も無視できません。同社の2019年3月~5月期の売上高は47億8800万ドル(日本円で約5100億円)で、前年同期と比べて39パーセントもの大幅な減少を記録しました。また、純利益も8億4000万ドルと、前年同期比で78パーセントの減少となっています。これは、主力のメモリー製品、具体的にはデータを一時的に保存するDRAMや、データを永続的に保存するNAND型フラッシュメモリなどの需給が世界的に緩み、価格が大きく下落したことが主な要因です。しかし、市場の事前予想を上回る結果となったことは、ひとつの光明と言えるかもしれません。
メロートラCEOは、厳しい決算状況にもかかわらず、「需要回復の兆しが見え始めている」と、市場の先行きに対して前向きな見解を示しています。その一方で、翌年度となる2019年9月~2020年8月の設備投資額を削減する方針も同時に表明しており、需要の本格的な回復までは慎重な姿勢を崩さない構えがうかがえます。企業の経営判断としては、需要と供給のバランスを注視し、過剰投資を避けるという、堅実な姿勢だと言えるでしょう。
今回のマイクロン社の動きは、米国の輸出規制の厳格さが議論される一方で、グローバルなビジネスを展開する企業が直面する、規制と利益の間での難しい綱渡りを象徴していると考えられます。米中の貿易摩擦が長期化する中で、各国・各地域のサプライチェーンが複雑に絡み合う半導体業界において、今後も多くの企業が同様の判断を迫られることでしょう。この一部出荷再開のニュースが、今後の米中間の通商交渉や、ハイテク産業のサプライチェーン再構築にどのような影響を与えるのか、編集部としては引き続き注目していく必要があるでしょう。

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